国内旅行業況、17年1Qは3ポイント減-訪日は1ポイント減
日本旅行業協会(JATA)が2月7日から23日にかけて、会員567社を対象に実施した旅行市場動向調査で、2017年1月から3月までの3ヶ月間の国内旅行のDI値(※)はマイナス14ポイントとなり、前期(16年10月~12月)から3ポイント減、前回発表した見通しよりも1ポイント減少した。一方、旅行会社からは「海外旅行の低迷で、購買力のあるシニアを中心に高級感のある国内旅行の人気の気配があり、5ツ星の宿に人気がある」という声や、「スキーを目的とした上信越は比較的好調」などのコメントが寄せられたという。
業態別では「国内旅行ホールセラー」が43ポイント増の0ポイントとなったほか、「インハウス」は12ポイント増の7ポイントでプラスに転じた。「リテーラー1」は20ポイント増のマイナス19ポイント。最も減少したのは「ネット系旅行会社」で34ポイント減のマイナス67ポイントだった。
方面別では、静岡を含む伊豆・箱根が7ポイント増のマイナス20ポイントと最も増加。以下は九州が4ポイント増のマイナス22ポイント、愛知・岐阜・三重が3ポイント増のマイナス21ポイントとなった。最も減少したのは東北で15ポイント減のマイナス41ポイントに。北海道は13ポイント減のマイナス25ポイントだった。
顧客層別では、ファミリーが6ポイント増のマイナス13ポイントと唯一増加。そのほかの顧客層はいずれも前期を下回り、教育は17ポイント減のマイナス21ポイント、サークル・親睦は11ポイント減のマイナス28ポイント、職場と招待・報奨はともに9ポイント減でそれぞれマイナス31ポイント、マイナス28ポイントとなった。
17年4月から6月までの3ヶ月間については、国内旅行全体で12ポイント増のマイナス2ポイントを予想。旅行会社からは「4月に名古屋に初のテーマパークが開園することにより旅行需要は増加すると予想」という声が挙がったほか、「九州ふっこう割が終了し、ふっこう割販売期間中に落ち込んでいた遠方への旅行が戻ってきている」とのコメントが寄せられた。
業態別では「国内旅行ホールセラー」が33ポイント増の33ポイント、「総合旅行会社」が32ポイント増の13ポイントと大きく改善しプラスに転じる見込み。「リテーラー1」は13ポイント増のマイナス6ポイント、「リテーラー2」は11ポイント増のマイナス5ポイントを予想する。一方、「インハウス」は11ポイント減のマイナス4ポイントで唯一減少する見込みだ。
方面別では、東北が12ポイント増のマイナス29ポイント、北海道が11ポイント増のマイナス14ポイントと増加。横浜と浦安を含む東京、北陸、奄美・沖縄はいずれも1ポイント減で、それぞれマイナス4ポイント、マイナス16ポイント、マイナス3ポイントを見込む。
顧客層別では、職場が12ポイント増のマイナス19ポイント、招待・報奨が7ポイント増のマイナス21ポイントとなるほか、60歳以上のシニアは5ポイント増の10ポイント、一人旅は5ポイント増のマイナス25ポイントを予想。一方、ファミリーは3ポイント減のマイナス16ポイント、教育は2ポイント減のマイナス23ポイントを見込む。
なお、17年7月から9月までの3ヶ月間については、国内旅行全体で6ポイント増のマイナス8ポイントになると予測した。
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※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱いなし」の4つを用意し、集まった回答を数値化したもので、設問事項に対する全体的なトレンドを示す指標となる。すべての回答が「良い」の場合はプラス100。JATAの調査では、JATA会員会社にアンケートを実施し、業態、顧客別、方面別にDI値を算出している。