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新局面を迎えたホールセール商品、高付加価値化の中に見えた各社の方針

  • 2014年3月27日

航空会社系は独自の品質・企画力向上に注力、選ばれる商品作り

・ジャルパック:50周年特別商品、旅行会社の仕入力・企画力前面に

50周年特別企画。アメリカの2大宇宙センターで立入不可の重要施設を見学。宇宙飛行士とのランチや2機のスペースシャトルの見学も

 「ジャルパックでなければできない仕入れ、JALグループならではという付加価値をどれだけ提供できるか」。ジャルパック代表取締役社長の二宮秀生氏は、ブランド50周年にあたる今年の商品発表会で、「期待を超える旅」の提供に磨きをかけ、旅行会社だからできる商品作りに注力する方針を強調した。

 その意向が強く反映されているのが、「50周年記念商品」だ。例えば、一生に一度は見たいと思える観光スポットをつないだ「ワンワールド・ジャーニー世界一周18日間」。モアナサーフライダー・ウェスティン・リゾート&スパのVIP用客室「ダイヤモンドヘッド・オーシャンビューフロントスイート2110号室」を、旅行会社として初めて扱う「至極のワイキキ6・7日間」など、ジャルパックとJALグループの総力で作り上げた独自の商品だ。

 二宮氏は「旅行会社の店舗数が減少傾向にあるなか、商品自体に魅力をもたせ、お客様に選ばれることが重要。販売側も商品に強く勧められるポイントがある方がよいはず」と店舗のないホールセラーとして注力すべき方向性を改めて提示。「次の50年もお客様視点を第一に、『いい旅、あたらしい旅』を磨いていく」と、基本方針を貫く姿勢を示した。

・ANAセールス:安心の品質に企画力も進化、羽田拡大で増強も

スペインのパラドール宿泊やバルカン半島周遊コースもワンダーアースで好評だった企画を活かした  ANAセールスでは従来、“安心の品質”に主眼を置いた商品強化に力を入れてきた。2012年12月には「新しいデスティネーションをベストシーズン限定で案内する」をコンセプトとする「ANAワンダーアース」を設定。直販商品だが、旅行者の声を直接聞くことができるため、今期からはそのフィードバックをANAハローツアーにも反映し、さらなる企画力の強化にも繋げている。

 その1つが新商品「ANAハローツアー 大人のゆとり旅 ヨーロッパ」だ。メインの観光地の時間を2倍として(通常1時間の場合は2時間に、半日の場合は1日)じっくりと観光できるようにしたほか、ホテル出発は午前9時、到着は午後6時とし、1日の移動距離を制限。半分以上のコースで連泊とし、食事はアラカルトメニューを用意するなど、一つ一つの約束事を明確にして安心感と快適度を上げたツアーとした。初年度は年間2000名を目標としているが、販売開始1か月半(2月末時点)で600名弱を集客。ANAハローツアーのリピーターの予約が多いという。

 さらに今後の最大の特徴となるのが、羽田発商品だ。今期のコース数はワンダーアースを含めて13%増の1500コースと大幅に拡充したが、その半分が羽田発商品。大人のゆとり旅に至っては29コース中28コースが羽田発で、予約の4割が地方発だという。この強みを最大限に生かし、首都圏と地方需要の双方の需要を取り込んでいく方針だ。

>>次は上期商品のポイント

▽14年度の取扱目標人数 ※は上期のみ

▽取扱目標人数の推移 ※は上期のみ