地域に分け入るJAL社員たち~山形県・後編~

  • 2022年6月29日

「山形市MaaS」導入で公共交通の課題解決へ
広域連携で特色ある商品を造成

山形県山形市

商工観光部 観光戦略広域観光推進員 山本真輝さん

 兵庫県尼崎市出身。1999年に入社し、地元大阪で約10年旅行商品企画・営業を担当した後、高知支店・ 本社法人販売部・国内販売部を経て、2021年4月より山形市に出向しています。

 蔵王、山寺そして温泉と、山形市には自然豊かな癒しスポットがふんだんにあります。食については山形牛やさくらんぼをはじめとしたフルーツ、お蕎麦が有名ですが、実はラーメンの外食費用が常に全国1・2位を誇る麺王国という面も。個人的には親鳥が入った冷たい肉そばが絶品です!

 現在は、山形県村山地方7市7町の自治体で構成されたDMOの事務局として各市町と連携し、観光振興に努めています。着任当初、村山地区には温泉・食・自然とポイントとなるコンテンツは沢山あるものの、うまく周遊に繋がっておらず、販売に結びつけるのが難しい環境でした。着任から1年が過ぎ、各自治体との打ち合せや自分自身で現地の観光コンテンツ・温泉・食の体験を重ねることで下地も出来上がってきたので、今後の目標として、誘客に繋げるべく、販売促進に力を入れたいと考えています。

 JALが就航する東京・大阪をはじめ、名古屋・札幌を結ぶ山形空港や山形新幹線の停車駅も複数あり、近隣には仙台市と主要都市が多数繋がっています。誘客に対する伸びしろは十分あるので、出向元であるJALや関連事業者とも連携して、山形市そして村山地方7市7町の魅力の発信に全力で取り組んでいきます。

商工観光部 観光戦略課長 佐藤哲也さん

 1994年に入庁し、企画調整課や防災対策課等を経て、2017年度より現部署へ配属となりました。観光戦略課では観光基本計画の策定やDMOによる広域観光推進業務等を担当し、本年度より課長に就任しました。

 蔵王温泉は冬の樹氷やスキーが有名ですが、夏の避暑地としても楽しめるので、是非一度夏の蔵王を体験していただきたいです。

 山形市は前出の蔵王温泉や景勝地である山寺を有していますが、まだまだ知名度が不足しており、「選ばれる観光地」には至っていません。また、観光消費額の伸び悩みも課題の1つで、広域観光の推進により滞在時間の拡大を図ることで観光消費額の増加を目指しています。そうした中、山形市を含めた周辺市町の効果的な情報発信と、地域の特色ある商品造成による行政圏を越えた連携による観光周遊促進を目的に、これまで山形市を含めた3市で活動してきたDMOを、村山地区7市7町へ拡大しました。

「裏山寺」とも呼ばれる垂水霊境

 山本広域観光推進員からは民間の視点から幅広いアドバイスをいただくことで、これまで収益化されていなかった地域資源の旅行商品化等を進めていきたいと考えています。また、毎日庁舎から目にする朝日連峰も、当たり前のようにランチで注文する冷たい肉そばも、県外の方からみれば目新しい観光素材になることは学びでした。引き続き山本推進員と共に山形市の各所を巡り、新たな気づきを獲得していきたいと考えています。