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地域に分け入るJAL社員たち~山形県・後編~

  • 2022年6月29日

「山形市MaaS」導入で公共交通の課題解決へ
広域連携で特色ある商品を造成

 山形県・後編は、蔵王温泉や山寺(立石寺)でも知られる山形市。市では日本航空(JAL)のネットワークも活かし、公共交通の利便性の向上、周辺地域も含めた観光客の周遊の促進を目指している。(山形県・前編はこちら

蔵王中央高原にある神秘的な「ドッコ沼」

山形県山形市

企画調整部企画調整課交通政策室 長与啓介さん

 福岡県北九州市出身。2009年にジャルセールス入社後、予約・発券業務や空港出向、支店セールスを経験。直近は大阪で広報・宣伝等を担当していました。2021年4月より山形市に出向し、MaaSやシェアサイクルの導入を進めています。

 山形市は盆地に位置し、市街地から田園風景を望み、⽉⼭や朝日連峰等の雄大な⼭々を見渡せます。住んでみて感じたのは、「夏は暑く、冬は寒く、湿度の高い」気候。この寒暖差により、秋は色鮮やかな紅葉、冬は雪景色や樹氷をつくり出し、四季の風景をより美しく魅せています。おすすめは、蔵王温泉の麓にあり、2023年12月に道の駅が併設される観光物産会館「ぐっと山形」。なかでも旬な果実のみを使用した果汁100%のジュース「山形代表」は大人気です。

季節を感じられるおすすめは、あじさい寺と呼ばれる「出塩文殊堂」。あじさい祭り期間中の夜間はライトアップも。

 山形市は1世帯あたりの自家用車保有率が1.53台と東北の県庁所在地の中で最も高いため、自家用車を多用することで公共交通の減便やサービス低下が進み、更に自家用車を利用せざるを得なくなるというスパイラルが発生しています。この課題を解決するため、既存の公共交通とICT等の技術を活用した新しい交通サービスを連携することで多様な交通手段の選択を可能とする「山形市MaaS」を導入し、誰もが快適に移動できる環境の構築を目指しています。

 今年度は先行トライアルの1年目として、コミュニティバスと路線バス、大学スクールバスをアプリで連携し、市内の移動利便性と回遊性を高めます。加えて、新たに「シェアサイクル」を提供し、細かな移動ニーズに応えます。今後は他都市やその他MaaSとの広域連携も検討しており、飛行機と空港からの二次交通をシームレスに繋ぐ『JAL MaaS』と連携することで、国内外からの来訪者の利便性向上・回遊促進を期待しています。

企画調整部企画調整課交通政策室 副室長 宮城友嘉さん

 1996年に土木職として入庁。都市政策課や公園緑地課などのまちづくり部署で、「都市計画マスタープラン」の策定に携わりました。2020年4月に現在の部署へ配属となり、公共交通の将来像を示す「地域公共交通計画」やMaaSの導入方針の策定に取り組んでいます。

 東北四大祭りの1つ、「花笠まつり」で知られる山形市。郷土料理は「芋煮」で、秋には直径6.5メートルの大鍋による「日本一の芋煮会フェスティバル」が開催されます。また、山形市はラーメン平均支出額日本一を8年間記録するラーメンのまちでもあり、特にお蕎麦屋さんで提供される昔ながらの中華そばは、素朴な中でも味わい深く絶品です。

 城下町を核として発展してきた本市の中心地には、第二次世界大戦の戦禍を免れ、国の史跡に指定されている「霞城公園」や国の重要文化財となっている「郷土館」、「文翔館」など、歴史的にも価値の高い建造物や史跡などが数多く現存しています。「山形市中心市街地活性化基本計画」では、これらの歴史・文化資源の魅力向上による賑わいづくりを基本方針としており、コロナ後の観光需要回復を見据え、今後、更なる回遊性の向上と移動環境の整備が求められています。

市内中心部、もみじ公園(旧宝幢寺庭)の紅葉と雪吊りは、訪れる人の心を掴む、
すばらしい風景です!

 この取り組みの1つとして、現在シェアサイクルの導入を検討しています。市民の日常利用や来訪者の観光利用など中心市街地を核とした移動環境の向上はもとより、本市が目指すゼロカーボンシティの実現にも繋がるものと期待しています。

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