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地域に分け入るJAL社員たち ~岩手県編~

  • 2022年1月18日

三陸の水産物を高鮮度で西日本へ
縄文時代から続く漆文化を国内外に発信


-今後の需要回復も見据えて、コロナ後はどのようなターゲットにどのような商品・素材を紹介していきたいですか。

 岩手県では、2020年6月「“奥南部”漆物語~安比川流域に受け継がれる伝統技術~」が日本遺産に認定、同12月「漆搔き技術」を含む「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統工芸」がユネスコ無形文化遺産として登録、2021年7月には御所野遺跡が「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の1つとして世界遺産に登録されました。また、今年8月には八幡平市・安比高原に日本初となる英名門校「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」が開校予定で、海外からも注目されています。

 これらの地域は県内北部の二戸市、八幡平市、一戸町が中心となっています。二戸市の浄法寺町は国産漆の最大の産地で、縄文時代の遺跡から漆の装飾が付いた石刀や土器が見つかっており、昔から人々の暮らしに漆が密接に関わっていたことが伺われます。「浄法寺塗」や「安比塗」など、地域で受け継がれてきた文化を国内外に発信していきたいと思います。 

2021年7月に世界遺産登録された岩手県一戸町「御所野縄文遺跡」

-観光事業者や他の自治体と連携して取り組みたいことがあれば教えてください。

 岩手県への出向では、旅行会社や航空会社セールスではお会いすることがなかった生産者や事業者と、コロナ禍での様々な案件に取り組んでいます。その経験と知識、人間関係を活かし、今後の地域活性化や交流人口拡大に寄与したいと思っています。

 ウィズコロナ・ポストコロナの時代に向け、今までの旅行形態とは大きく異なる動きが出てきています。観光産業に関わる皆さんには、コロナ禍からのV字回復のフェーズに入るまでの間に岩手に訪れていただき、復興道路の利便性、世界遺産や日本遺産の有効性、三陸の海産物や震災からの復興状況を視察し、今後の商品造成に役立てていただければと思います。その際は是非お声がけください。お客様の趣味嗜好に合わせたツアーの造成や、二戸市で取り組んでいる「フードダイバーシティ」についてもご紹介させていただきたいと思います。

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