20代社員が振り返る今週のニュース ー 勉強は自腹でするべきか
この一週間で最もよく読まれた記事はKNTグループの人事記事でしたが、個人的に着目したい記事は2つあります。
1つは、宿屋大学近藤氏のインタビュー、もう1つはせとうち観光専門職短期大学青木氏へのインタビューです。
言うまでもなく、共通する点は教育です。色々と書きたいことはありますが、宿屋大学さんの記事中にある「PHM講座の受講生はポケットマネーで受講する方が2割」というところが最も気になるところです。
自腹で勉強する方が2割というのを多いとみるか少ないとみるか、人それぞれだとは思いますが私は「多すぎる」くらいに感じました。
ホテルマネージャになるための講座というのは、観光産業内でならともかく、社会人講座としてはそれなりにニッチな内容です。転職に役立つというよりは、どちらかというと自社内で役立てるために受ける方がほとんどだと思います。そのために身銭を切って勉強している方が2割。皆さんはどう思われますか?
若手の1人として意見を書くのであれば、社員が企業に求めることの1つに「教育」があると思います。それは研修などの用意でもそうですし、自己投資への援助でもどちらでもいいですが、やはりどちらかは必要だろうと思います。「勉強なんて自分で就業時間後にやるもんだ、甘ったれんな」という方や「仕事をやりながら覚えることが勉強だ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、そうなると自力で勉強して学んでいくような人は、それを援助してくれて評価してくれる企業や業界に流れていくであろうと思います。
若手のキモチもあり、様々な業界内の若手の方とお話をさせていただく機会を頂きましたが、残念ながら「うちの会社の社員に対する投資はすごい!」という方にはまだお会いしていません。もちろんコロナ禍でキャッシュがないのも理解していますが、コロナで業務がないせいで仕事の経験もつめず、他のスキルを身に着けようにも援助もなければ給与も減っているとなると、業界を離れたくなるのも致し方ありません。
それと、今回もう1つ気になったのは、今回インタビューさせて頂いたお二方の内容としては、どちらもスペシャリストになることを目指したものであるところが気になりました。もちろん、トラベルビジョンが観光産業向けのメディアとして取材させて頂いているのでそうなるのは当然なのですが、本当は業界外のことを勉強する機会が必要だと思っています。
ここ10年くらい、経営学で熱い話題の1つが「イノベーション」の研究なのですが、今1つわかっていることは「今までやってきたことを極める・深める」ことと「これまでに知らない範囲のことを知ること」の2つがどちらも出来ている必要があること、もう1つは日本の企業は前者ばかり重視しがちなことです。
ご興味がある方は「両利きの経営」とか「知の深化 知の探索」とかで検索をしてみていただくとして、観光産業も例にもれず前者を重視しているのではと考えることが多々あります。もしコロナ後を見据えて投資されるなら、是非こういった点も見据えて現場の人間にも投資してほしいなと、わがままながら思うところです。