羽田昼間発着枠の配分決定、米中露豪印に伊、北欧とトルコも

  • 2019年9月2日

▽羽田シフトは限定的? 「両方持つ会社も少なからず」

 米国については既報(リンク)の通り、日系航空会社と米系航空会社に各12便・計24便と、増加する枠の半分近くを配分。現時点で羽田の昼間枠が各5便しか配分されていないことや、経済規模や訪日旅行者数、国土の大きさなどを勘案した結果で、「大きさに対して適正なボリューム」と考えているという。

 中国については各4便を配分。同省によれば、中国側の各空港の混雑状況などにより、日系航空会社は上海(浦東)、大連、青島、深センに各1便、中国系航空会社は北京の新空港から2便、既存空港から1便、上海(浦東)から1便を運航する予定という。それぞれの路線を運航する航空会社については明らかにしなかった。なお、今回の発着枠配分にあわせて、今後は成田・北京・上海に関して設定していた輸送力制限を大幅に緩和し、2国間交流の促進に努めることで合意したという。

 ロシア以下の各国は、いずれも今回の増枠により初めて羽田の昼間時間帯に就航する。このうちイタリアについては、訪日旅行の重点市場であることや、欧州のG7構成国のなかでは唯一、羽田の昼間枠を有していないことなどから配分を決定。すでに羽田の発着枠が配分されていることに加えて、LCCが多数飛来している東南アジアなどには配分しなかった。

 そのほか、国交省によれば以遠ネットワークとの接続の観点から、トルコ路線についてはイスタンブール線、フィンランド路線についてはヘルシンキ線となることが確定的。スカンジナビアについては、SKが成田線を運航しているコペンハーゲンに限らず、ストックホルム線やオスロ線が開設される可能性が考えられる。

 なお、これらの9ヶ国はすべて成田から定期便が運航されているが、航空局によれば、先日にデルタ航空(DL)が発表したような「羽田シフト」への懸念については「成田線を減らすところもあれば、羽田線と成田線の両方を持つ会社も少なからずあると聞いている」とのこと。例えば昨年にCEOが本誌の取材に応えたSKは、発着枠を獲得できた際には成田/コペンハーゲン線を羽田/コペンハーゲン線に変更し、新たに成田/ストックホルム線を開設する考えを示している(関連記事)

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