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羽田昼間発着枠の配分決定、米中露豪印に伊、北欧とトルコも

  • 2019年9月2日

 国土交通省は9月2日、来年3月29日からの2020年夏ダイヤ開始にあわせて実施する羽田空港の国際線昼間時間帯発着枠の増枠について、国別の配分数と全日空(NH)および日本航空(JL)への配分数を発表した。国別の配分数については1日あたり50便を、訪日外国人旅行者の受入拡大や日本の国際競争力強化をはかる観点から、米国・中国・ロシア・豪州・インド・イタリア・トルコ・フィンランド・スカンジナビア(デンマーク・スウェーデン・ノルウェーの3ヶ国で1ヶ国扱い)に配分する。

羽田国際線発着枠 配分結果

国名日本側相手国側
米国12便分12便分
中国4便分4便分
ロシア2便分2便分
豪州2便分2便分
インド1便分1便分
イタリア1便分1便分
トルコ1便分1便分
フィンランド1便分1便分
スカンジナビア1便分1便分
合計25便分25便分
太字は昼間時間帯の新規就航国
・中国とは成田、北京、上海における輸送力制限を大幅に緩和することを確認
・インドは深夜早朝枠も1便ずつ両国に配分
・スカンジナビアはデンマーク、スウェーデン、ノルウェーの3ヶ国で1便

 NHとJLへの配分に関しては、需要の大きい米国・中国・ロシア・豪州・インドについては半分ずつを、それ以外についてはコードシェアなどにより以遠の広範な地域から訪日旅行者を取り込む観点から、すでに日本路線を運航している航空会社と提携する1社にのみ、各1便を与える。具体的には、イタリアについてはアリタリア-イタリア航空(AZ)と包括提携しているNHに、トルコとスカンジナビアについてはターキッシュエアラインズ(TK)およびスカンジナビア航空(SK)と同じスターアライアンスに属するNHに、フィンランドについてはフィンエアー(AY)とジョイントベンチャーを実施しているJLに配分する。

羽田国際線発着枠 日系航空会社配分結果

国名NHJL
米国6便分6便分
中国2便分2便分
ロシア1便分1便分
豪州1便分1便分
インド0.5便分0.5便分
イタリア1便分-
トルコ1便分-
フィンランド-1便分
スカンジナビア1便分-
合計13.5便分11.5便分
・インドは深夜早朝枠と合わせて1便ずつ運航

 合計ではNHに13.5便分、JLに11.5便分を獲得し、2便の差が生じることになるが、この日の記者会見における航空局の説明によれば、現在はJLの「8.10ペーパー」は失効しており、JLへの公的支援による競争環境の歪みもない状況と認識しているため、格差是正は念頭に置かず、まずは国別の配分、次いで便数の配分、最後に各社の提携関係を勘案した上で決定したという。

 発表を受けて両社はコメントを発表。ともに関係者への謝意を示したほか、NHは「配分された貴重な発着枠を有効に活用し、訪日外国人旅行者の増加や日本の国際競争力強化に向けて努力して参ります」、JLは「今回の配分は当社の意向を十分に汲んでいただいたもので、今後の中期計画、グランドデザインを達成する上で非常に大きな前進となると受け止めております。首都圏空港を最大限活用し、自社路線のみならず提携パートナーとのさらなる提携の拡大・深化をはかり、より多くの地点を結び、2020年オリンピック・パラリンピック、その先の訪日外国人の拡大や地域活性化に対し、ヒトとモノを繋ぐ重要な役割を果たして参ります」と述べた。2便の差に関する言及はなかった。

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