国内旅行概況、18年1Qは11ポイント減-訪日は9ポイント減
日本旅行業協会(JATA)が2月5日から25日にかけて、会員588社を対象に実施した旅行市場動向調査で、今年1月から3月までの3ヶ月間の国内旅行のDI値(※)はマイナス15ポイントとなり、前期(2017年10月~12月)に比べて11ポイント減少した。前期の発表時の見通しと同ポイントで、前年同期比では1ポイント減。
旅行会社からは「九州は前年に増して良いが、北陸と関西は苦戦」「団体旅行は各方面ともに低調。九州は鹿児島のみ好調で、関西はほぼ前年並み」「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の新パーク開業により関西は好調」などの声が挙がり、関西については会社ごとに意見が分かれたという。
業態別では「国内旅行ホールセラー」は前期比で16ポイント増のマイナス17ポイントとなったが、他は前期を下回った。最も落ち込んだのは取扱額が30億円以上の「リテーラー1」で、40ポイント減のマイナス19ポイントとなりマイナスに転じた。
方面別では「愛知・岐阜・三重」が5ポイント増のマイナス15ポイントと最も伸長。「九州」「奄美・沖縄」「北海道」も前期を上回った。最も減少したのは「山陽・山陰」で8ポイント減のマイナス27ポイント。DI値が最も高かったのは5ポイントの「京阪神(京都・大阪・USJ)」で1ポイント減。最も低かったのはマイナス33ポイントの「四国」と「東北」で、「四国」は7ポイント減、「東北」は1ポイント減だった。
顧客層別では、団体旅行はすべてのセグメントで前期を下回ったが、個人旅行は「OL」以外は前期を上回った。最も増加したのは個人旅行の「一人旅」で8ポイント増のマイナス19ポイント。最も落ち込んだのは団体旅行の「招待・報奨」で14ポイント減のマイナス23ポイントだった。
4月から6月までの3ヶ月間は、国内旅行全体で12ポイント増のマイナス3ポイントを予想。旅行会社からは「大河ドラマ効果で南九州が人気」「大分は六郷満山開山1300年で好調」「東京ディズニーリゾートやUSJが家族や3世代に人気」「離島を含め、沖縄が好調」などの意見が挙がった。
業態別では、「ネット系旅行会社」が今期並みとなる以外は増加し、特に「リテーラー1」は23ポイント増の4ポイントでプラスに転じる見通し。方面別では「愛知・岐阜・三重」が2ポイント減のマイナス17ポイント、「京阪神(京都・大阪・USJ)」が4ポイント減の1ポイントとなるが、その他の方面は今期を上回ると予想する。なかでも「東北」は11ポイント増のマイナス22ポイントにまで回復する見込みという。
顧客層別では、個人旅行の「ファミリー」が1ポイント減のマイナス13ポイントとなる以外は今期を上回る見込み。特に団体旅行の「招待・報奨」は12ポイント増のマイナス11ポイントと最も大きな伸長を予想する。
なお、7月から9月までの3ヶ月間については、国内旅行全体で今期比10ポイント増のマイナス5ポイントを見込む。
次ページ>>>訪日は東北や甲信越・北陸が伸長
※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」の4項目を用意し、集まった回答を数値化したもの。回答数から「取り扱っていない」と回答したものを除いた数を母数として各回答のシェアを算出し、「良い」の割合から「悪い」の割合を引いている。