東京都、「アクセシブル・ツーリズム・シンポジウム」を初開催
「積極的な声がけ」で心のバリアフリーを
障害者差別解消法の普及に期待
障がい者旅行は新たな需要
パネルディスカッションではまず、パネリストがそれぞれの取り組みを説明。岸田氏は、宿泊施設やレジャー施設向けにユニバーサルマナーの研修を実施しているほか、自治体と連携し事業者向けに啓蒙活動を展開していること、日本ユニバーサルマナー協会が「ユニバーサルマナー検定」を実施していることを紹介した。京王プラザホテル宿泊部客室支配人の中村さおり氏は、同ホテルが「ユニバーサルルーム」を10室設けているほか、ソフト面も充実させ、ロビーやレストランなどでのホスピタリティ向上に努めていることを説明した。
KNT-CTホールディングス地域事業部課長、クラブツーリズム・ユニバーサルデザイン旅行センター課長の淵山知弘氏は、クラブツーリズムで20年間にわたってバリアフリーツアーを催行してきた経験を紹介。募集型ツアーのパンフレットではサポートの「見える化」に注力するとともに、最近では聴覚障がい者向けに「UDトーク」アプリなど最新ツールも活用していることも付け加えた。
琉球大学観光産業科学部観光学科非常勤講師でNPO法人バリアフリーネットワーク会議代表の親川修氏は、那覇空港での取り組みを紹介。車椅子や、聴覚障がい者向けに光で来客を知らせるドアノックセンサーなど高齢者や障がい者が必要とするものをワンストップでレンタルできるサービスを提供し、旅行者の間でも認知が進んでいることから、「新たな旅行需要を喚起している」との認識を示した。