訪日消費額、16年は7.8%増の3.7兆円に、1人あたりは2桁減
▽田村長官、「1泊プラス」に意欲-中国人の支出調査も
観光庁長官の田村明比古氏は1月17日に開催した定例会見で、16年の訪日外国人の消費動向について「20年に外客数4000万人と消費額8兆円を実現するためには、単純計算で1人20万円の消費が必要。現状からは4万円程度の上積みが求められる」と説明。目標の達成に向けては「滞在日数をもう1泊伸ばしてもらわないといけない」と述べ、「今まで素通りしていた場所に立ち寄ってもらうなど、滞在時間を伸ばすための取り組みを全国津々浦々で取り組むことが重要」との考えを示した。
そのほか、訪日中国人の旅行支出のうち、特に買物額が低下していることを受けて、このほど観光庁が実施した緊急調査の結果を報告。中国政府が昨年4月から開始した関税の引き上げと、中国国内での越境ECの利用などが訪日旅行時の買物額に与えた影響は、9ヶ月間で総額2000億円と試算されることを伝えた。
なお、調査結果によると「関税の支払いを抑えるために買物を抑えた」と回答した人は全体の44.6%上り、品目では「電気製品」が最多となった。また、越境ECの利用により買い物を抑えた人は全体の22.4%となり、品目は「化粧品・香水」が最も多かったという。
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