国内旅行業況、16年2Qは7ポイント減、地震で九州が大幅減
日本旅行業協会(JATA)が5月25日から6月10日にかけて、会員の548社を対象に実施した旅行市場動向調査によると、2016年4月から6月までの3ヶ月間の国内旅行のDI値(※)はマイナス13ポイントで、九州地震の影響もあり前期(1月~3月)から7ポイント減少した。今回の調査からは、より詳細なデータの取得を目的として、業態別区分に「ネット系旅行会社」を追加。また、見通し数値についても、これまでの「3ヶ月後」に加え「6ヶ月後」を発表している。
JATAによると、国内旅行の動向について旅行会社からは「北海道新幹線の開業効果で、道南地区を中心に北海道が好調」などのコメントが寄せられた。一方、訪日外国人旅行者の増加により宿泊施設の確保が困難になっていることや、4月に発生した熊本地震の影響で九州方面が落ち込んでいることを危ぶむ声も聞かれたという。
業態別では、「国内ホールセラー」が前期比63ポイント増のマイナス20ポイントと大幅に増加。一方、その他はいずれも減少し「リテーラー1」は34ポイント減のマイナス34ポイント、「総合旅行会社」は17ポイント減のマイナス13ポイントなどとなった。新たに設けられた「ネット系旅行会社」は8社が回答し、マイナス33ポイントだった。
方面別では、3月に新幹線が開通した北海道が21ポイント増の5ポイントと最も増加。次いで、東北が7ポイント増のマイナス23ポイント、京阪神が前期並みの9ポイントとなった。4月の地震の影響を受けた九州は66ポイント減のマイナス70ポイントと大幅に減少した。
顧客層別では「職場」が5ポイント増のマイナス20ポイントと唯一増加。「教育」は前期並みのマイナス16ポイントで、「サークル・親睦」「招待・報奨」はともに6ポイント減となった。
※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」の4項目を用意し、集まった回答を数値化したもの。回答数から「取り扱っていない」と回答したものを除いた数を母数として、各回答のシェアを算出し、「良い」の割合から「悪い」の割合を引いて、景気動向指数に加工している。
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