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JATA、15年度の苦情相談は3.2%増-個別約款や訪日など

  • 2016年4月24日

 日本旅行業協会(JATA)によると、2015年度の消費者からの相談件数は前年比3.2%増の2100件となった。微増の要因は、3月に急遽を営業停止した会員企業1社に対する還付請求のための相談が約80件あったことによるもので、これを除けば1923件となり、前年とほぼ同様の相談件数になるという。消費者以外の相談については、旅行業者からの相談が18.2%減の850件、消費者相談センターからの相談が7.2%減の456件と、ともに減少した。合計の相談件数は4.1%減の3456件だった。

 JATA消費者相談室によると、15年度も前年以上に約款の解釈や旅行会社からの説明の根拠を厳しく求めるなど、旅行業務以外の対応や接遇に関する相談を申し出る消費者が増加。また、「募集型ペックス約款」「旅程保証約款」など個別申請により新たに認可されることになった約款が増加したことから、その取り扱いを巡る相談も増えた。スタッフが内容をしっかりと把握しておらず、補償金などを余分に払ってしまうケースなどがあったという。

 新たな傾向としては、急増する訪日外国人旅行者からのツアーの品質などに関する苦情や相談も寄せられ始めた。消費者相談室によれば「訪日旅行については、かなり重いクレームも寄せられている」とのことで、観光庁宛に直接苦情を申し入れた例もあったという。なお、JATAが訪日旅行に携わるツアーオペレーターの品質を認証する「ツアーオペレーター品質認証制度」の認証を取得した事業者については、苦情などは寄せられなかったという。

 申出区分別の状況については、昨年と同様に「旅行会社とのトラブル」が最も多く、消費者や消費者相談センター、旅行業者などの合計で2478件となった。このうち最も多かったのは「取消料」の561件で、全体の4分の1を占めた。次いで「手配内容」が407件、「申込み、契約」が306件となった。

 「サービス提供機関とのトラブル」は合計で370件。このうち「航空会社」に関するものが最も多く139件で、2位は「宿泊機関」の125件だった。「旅行者に起因するトラブル」は107件だった。