トップインタビュー:ハワイ州観光局(HTJ)局長 高畑エリック氏

パッションを持ってハワイをプロモーション
業界との関係深化を推進-各社対応、隣島、MICE、九州市場に注力

-日本人訪問者数の目標を教えてください

高畑 HTAは2011年の目標を127万人と設定していた。まだ12月の結果が出ていないが、おそらく120万人前後に落ち着きそうだ。2012年の目標は、前年の目標を前提とすると132万人。しかし、2011年の実績を考えた場合、この目標は変更になるかもしれない。将来的に見れば、2015年までに140万人レベルまで戻したいと思っている。これも2011年実績によって変わるかもしれないが、いずれにせよ毎年3%ほどの伸び率が求められるのではないかと思う。

 どう伸ばしていくかだが、リピーターとファーストタイマーそれぞれの市場について、ジオグラフィック、デモグラフィック、ライフスタイルに合わせながらプロモーションを展開していきたい。

 ファーストタイマーは、福岡をはじめとする地方需要の掘り起こしを重視していく。特に福岡はDLの福岡/ホノルル線を皮切りに座席が増えるが、大韓航空(KE)などを利用していたリピーターがそこに移動するだけでは、人数は増えない。純増するには、九州、四国、中国地域を含めて考える必要がある。また、客層としてハワイを訪れるきっかけとなるウェデイングは大きなマーケットになりうると期待している。一方、リピーターについては、旅行回数を増やすと同時に滞在日数を伸ばしていく。そのためには隣島が大切になるだろう。リピーターでありながら初めてのハワイを体験してもらうという視点だ。

 1990年代は何もしなくても日本人が来てくれていた。この10年で変わったことのひとつが、韓国など強力なコンペティターが出てきたことだ。他のデスティネーションがシェア獲得にものすごい努力をしているなかで競合していくには、旅行会社との関係強化が欠かせない。旅行会社は多数の旅行者を扱っており、それを吸い上げて成果に繋げる必要がある。


-具体的な活動計画を教えてください

高畑 イメージ戦略よりもコンバージョン(収益につながるアクション)に集中する方針だ。特に今年は復活した福岡線を維持させていくためにも、福岡そして九州市場を強化する。航空会社も旅行会社もリスクをかけてハワイを売ろうとしてくれるので、大事にしたい。地元のテレビ局、新聞、旅行会社、私鉄、JR、そして福岡と接続する地方空港を巻き込みながら、福岡線の認知度をアップさせていく。現在、各自がプロモーションを展開しているが、これをインテグレーションさせてシナジーを生み、九州市場を盛り上げていきたい。

また、セミナーやセールス活動ではピンポイントで対応したいと考えている。2月に東京と大阪で実施するセミナーでは、レジャーとグループに分けたセールスプレゼンテーションを行なう。また、旅行会社ごとのエデュケーショナル・ブリッツ(集中的なキャンペーン)も考えている。企画あるいは販売促進の担当者向けに、先方が欲しいテーマに合わせたプレゼンをして、本当の知識向上に協力していくのがねらいだ。

このほか、5月にはハワイ会と共同で新入社員向けにベーシックな情報を提供する機会も設ける。新しい取り組みとしては、マウイ週間、カウアイ週間のように、各島をターゲットにしたブリッツ週間も設ける予定だ。