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【デュッセルドルフ現地レポート】バーデン・バーデン、世界で最も美しいカジノへ

  • 2022年8月8日

世界で最も美しい「カジノ・バーデン・バーデン」

 中心を流れるオース川に沿って広がるバーデン・バーデンの市街地に、「クアハウス(日本語で直訳すると温泉会館)」と呼ばれる建物があります。1823年に完成された由緒正しき荘厳な建造物で、コンサートホールやレストランとともに、世界で最も美しいカジノの1つと称賛される「カジノ・バーデン・バーデン」が入っています。

クアハウス

 日本ではカジノというとあまり良いイメージではありませんが、ヨーロッパのカジノは格式ある社交場の意味合いが強く、ドレスコードの厳しい所がほとんどで、「カジノ・バーデン・バーデン」も経営はドイツの州。ここで働く場合、身辺調査の厳しさも徹底しています。

カジノの入口にはオープン当時の様子を伝える写真が飾られている

 バーデン・バーデンのカジノは世界で最もゴージャスなカジノの1つとして有名ですが、内装はまさに圧巻。クラシックなテーブルゲームはまるでお城の中か美術館のようで、ゲームをせずその場の雰囲気を味わうだけでも十分に楽しめます。中に入っているレストランやバーの雰囲気も一流ホテル並みで、小規模な空間で優雅にルーレットやブラックジャックなどのゲームを楽しみ、食事を楽しみ、バーでお酒を楽しむ非日常の時間は、ヨーロッパの歴史と相まって至福のひと時です。

 12月31日の年越しイベントでは、併設されているコンサートホールでフィルハーモニーによる年越しのガラコンサートが開催され、イブニングドレスとタキシードでコンサートを聴きに来られた人々を眺めているだけでため息が出ます。夜中の12時になるとゲストにシャンパンが配られ、クルーピエ(カジノディーラー)も手を止めてしばし皆で新年を祝う乾杯。着飾った面々の華やかさと打ち上げ花火と共に新年が明けます。

大晦日のガラコンサート会場

年越しのライトアップ

年越しに振る舞われるシャンパン

 ドイツの州立カジノの経営は健全で、営業時間中は州の担当官が必ず常駐しており、閉店と同時に1日の税額を計算して徴税するそうです。前日分の納税が完了しなければ翌日の営業はできないという徹底ぶり。税金の日払いというシステムはドイツ以外にあるのでしょうか。

 日本ではカジノを誘致するか否かの議論が長い間続いているようですが、ここヨーロッパ、特にバーデン・バーデンのカジノを見る限りは、余裕のある人々が社交場として楽しむ場所との印象が強く、ギャンブル依存症などという言葉とは無縁の世界と感じます。一方で、同様のものが日本に誕生するには歴史的な違いが大きすぎて難しいかなと思っています。

 ヨーロッパのカジノは通常、20歳以上でパスポートと入場料5ユーロ前後を支払い、ドレスコードをクリアーしていれば簡単に入場できます。大抵の場所は2ユーロのチップから賭けることができるので、懐具合に応じて、是非マシンではないクラシックなテーブルでのゲームを体験されることをお勧めします。映画007で有名なモンテカルロのカジノと同様に、バーデン・バーデンでもガイド付きの館内ツアーもあって、歴史の説明等面白い話も聞けるようです。

クアハウス前にあるオープンハウスのイベント会場では、音楽会などほぼ毎日催し物があり飽きません

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