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インタビュー:日本旅行TiS大阪支店支店長 上田純子氏

  • 2012年10月2日

-TiS大阪支店は大阪駅構内の一等地で営業する旗艦店ですが、どのような点を課題と考えられていますか

ウェディングをイメージした飾り付け(2012
年8月13日撮影)

上田 もともとこの店は歴史のある店舗で、お客様も自然に“湧いて”いた。そのため、お客様を“さばく”ことに意識が行ってしまい、お客様の顔ではなくカルテだけを見て対応していた。お客様がお帰りになってしまえば忘れてしまう。他の店舗では、お客様の顔を見て予約し、またお客様が自分のために来てくださるという流れを軸としてやってきた。

 また、立地は周辺の他社店舗と比較しても羨望されているが、それはたまたまであり、立地が良くても多様なお客様がいらっしゃるだけで、受注にはつながらない。たまたま今回は立地の良さから来店され、申し込んでくださったお客様に、「あなたが良かったから」といって次回来てくださるようにしなければならない。その意味では満足度をめざしてはいるが、まだまだできていない。

 加えて、専門性もある、機能性もあるといっていながら、中途半端だ。ヨーロッパ、海外ウェディング、クルーズのエキスパートも複数配置しているが、普通のお客様を受けるので精一杯になってしまっている。例として海外ウェディングでは、他社は専門性を武器にTiS大阪の5倍、10倍を受注していると聞いている。

 専門性を求めるお客様はじっくり、ゆっくり聞きたい。今、国内の相談を受けているスタッフが次にウェディングといわれても対応できない。お客様がお待ちになっているから時間もかけられない。


-課題の解決に向けてどのような取り組みをされていますか

上田 オンラインの流通が盛んになるなど環境が変わる中で、対面である以上はお客様と一対一の関係を構築しなければ店舗として存在し得ない。今は、一対一の対応をするように、自分を売り込むように取り組んでいる。隣のスタッフをライバルと思えるくらいの接客をしなければ生き残ることができない。

 また、自分たちでお店づくりに関わる場がなかったので、スタッフを運営に巻き込むようにしている。お客様にお金をお支払いいただくためには、それに見合ったサービスを提供しなければならず、サービスを充実すればより多くお支払いいただけるということをスタッフに認知させたい。

 専門性については、例えばウェディングについてはワタベウェディングと協力して予約制の相談会をしたりしている。立地が良いので、ウェディングドレスのディスプレイなど工夫もしている。また、エキスパートでなくても、ヨーロッパが強いスタッフであればどんどん任せるようにしている。得意分野を増やせるようにしたい。