【若手ホテリエに会いに行くvol.6】ONSEN RYOKAN 由縁 札幌 宮田翔さん
仕事選びで重要なのは「誰と繋がりたいか」
札幌で得た繋がりを生まれ故郷に還元したい
新型コロナ第1波のさなか、新卒でホテル業界へ就職した宮田翔さんは、今年8月にオープン2周年を迎えるONSEN RYOKAN 由縁 札幌(以下由縁 札幌)でフロントやレストランなどマルチタスクをこなしている。「同期の誰よりも早く総支配人になりたい」と貪欲に経験を積む宮田さんに、将来の目標や業界を目指す学生への思いを聞いた。
宮田翔さん(以下敬称略) 生まれは大分県大分市ですが、転勤族の家で、千葉県の木更津市、福岡県の北九州市と移り、大学生になる頃にまた大分県に戻りました。出身大学は立命館アジア太平洋大学の国際経営学部です。新卒で由縁 札幌を運営するUDSに入社し、今年で社会人3年目です。入社後はすぐに由縁 札幌に配属されました。
私はフロントスタッフとして入社したのですが、「レストランの気持ちも分かるスタッフになってほしい」との話があり、これまで8割から9割はレストランをメインに働いてきました。基本的にマルチタスクなので、繁忙期にはチェックアウトやチェックインなどのサポートもしていましたが、ここ2ヶ月ほどは、フロントメインで働くようになりました。ずっと同じことを続けるよりも、常に色々なことをやっていたいタイプなので、レストランで働きながら途中でフロントの仕事もして、という環境がとても楽しいです。頭を切り替えなければならないので大変な部分もありますが、長く続けていた野球のなかで学んだ「逆境こそチャンス」をモットーに頑張っています。
宮田 就職活動の際は人と人との繋がりが持てるような環境の職場を希望しており、選択肢は接客業なのかなと思っていました。また、学生時代は3年間無印良品でアルバイトをしていたため、いざ就職活動を始めようとしたときには、まず無印良品と、航空業界を考えました。それがなぜUDSに決めたかというと、「MUJI HOTEL GINZA」が銀座に開業することを知り、その運営会社を探して行き着いたからでした。
宮田 はい。本来、新入社員は東京などに集まって研修を受けるのですが、私は九州にいたので移動もできませんでした。同期としっかりと顔を合わせたのは内定式のときだけです。ほかの同期は研修でいくつかの運営拠点を訪れることができていたようですが、残念ながら私はそれも叶わず、直接九州から北海道に来ました。同期は現在運営、設計、企画合わせて9人で、私以外は熱海の宿泊施設と東京のオフィスに配属されています。同期とは、最近になってようやく少しずつプライベートでも遊びに行くようになりました。
由縁 札幌は2020年8月のオープンなので、配属されたときはまだ開業準備の段階で、ベッドやテレビ、ソファなどの搬入やアメニティの用意など、開業前の仕事から携われたことは貴重な経験だったと思います。とはいえ、既に宿泊施設としての形はでき上がっていたので、ゼロからの開業という部分ではまだまだ学ぶことはたくさんあります。
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