【ホテル総支配人リレーインタビュー】第15回 ヒルトン沖縄北谷リゾート・ダブルツリーbyヒルトン沖縄北谷リゾート統括総支配人 宍倉裕氏

  • 2022年6月15日

2つのホテルをワンチームで運営
ヒルトンの2ブランドで魅力を倍増

-今年のゴールデンウィークは、コロナ禍前と比べてどのような状況でしたか。

宍倉 沖縄県は2月末にまん延防止等重点措置が解除になり、それ以降は国内旅行需要が回復基調です。我々のホテルでも県外需要を中心にかなり戻ってきています。それでも19年のゴールデンウィークの実績にはまだ届きません。また、夏場の予約状況も昨年よりは手応えを感じていますが、コロナの状況も見通しがつかないため何とも言えません。

 しかし6月以降、政府の水際対策の緩和が進めばインバウンドの復活も期待できますし、そうなれば下期の大きな追い風になると考えています。

-コロナ禍前と後で販路や客層の変化はありますか。
北谷の西海岸に臨む「43ウェスト ルーフトップバー」は、ゆったりとした空間で美しい夕陽が眺められると人気

宍倉 やはり客層は変化していますので、それに合わせて「おこもりステイ」や「ワーケーション」といったテーマで各種プログラムを用意し対応しています。

 販路についてはホームページの直販やOTA経由などのウェブ予約が増加する傾向なので、口コミへの対応強化やウェブに掲載する写真の見直し、SNSでの魅力発信には、これまで以上に力を注いでいます。国内外のインフルエンサーの招聘といったプランも検討中です。

-地域への貢献としては、どのような取り組みをしていますか。

宍倉 コンラッド・ヒルトンが掲げた「旅は世界をより良い場所にする」という理念のもと、ヒルトンでは「トラベル・ウィズ・パーパス」という企業責任戦略の一環としてCSR活動を行っています。そこでの目標は「2030年までに社会的影響への投資倍増と環境負荷を半減する」というもの。この目標に向けて沖縄でも取り組みを進めています。例えばビーチクリーン活動やフードロス削減、バックオフィスでのプラスチック削減などです。

 料飲関連では地産地消や「サステナブル・シーフード」を推進しています。調理場やレストランで出た廃棄食材は地元の養豚業者に提供し、豚の餌として利用してもらっています。また美しい海やサンゴ礁、ウミガメなどを守る方法を子供たちと一緒に学び、サンゴの植え付け作業を手伝う活動なども実施しています。

-客室のアメニティ類などに関する脱プラスチックは、サービスとの兼ね合いもあって、ビジネスホテルとは違った難しさがあると思います。

宍倉 ヒルトンでは、グループ全体で2019年頃から、プラスチック製ストローの全面廃止や客室スリッパの包装をプラスチック製袋からペーパーバンドに変更するなど、使い捨てプラスチック製品の削減に積極的に努めています。客室に置くコップのフタをプラスチックから紙に交換したほか、今年末頃からシャンプー容器などをポンプ式の大型ボトルに変えてプラスチック削減に更に強化していきます。

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