豪NSW州郊外の美しい町「オレンジ」、ワインなど知られざる魅力紹介-世界遺産ブルーマウンテンズ最新情報も
「冷涼気候」武器にワイン生産、ワイナリーごとの個性も様々
オレンジは、フランスのシャンパーニュやシャブリ、ニュージーランドのマールボロなどと同じ「冷涼気候」の地域に分類され、シャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、シラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの品種が主流。各セラードアでは10豪ドルから30豪ドル程度でテイスティングプログラムが組まれている。
今回訪れたセラードアはPrinthie Wines、Colmar Estate Winery、Nashdale Lane Winery、Heifer Stationの4軒。
このうち最も特徴的だったのはPrinthieで、オーナーの名前を冠したスパークリングワインの「Swift」シリーズがフラッグシップ。テイスティングもスパークリングばかり出てくるのは初めての経験だったが、だからこそ違いを感じやすく面白い。ワイナリーとして著名ワイン評論家ジェームス・ハリデー氏から5ツ星を得ているなど受賞歴も多く、そのスパークリングワインは同国でもベストの一つと評されているという。
続くColmar Estateは2013年に現オーナーが立ち上げたワイナリーで、隣接するぶどう畑で育てた同じ品種でも畑を分けて醸造するなど様々な取り組みをしており、これまた同時に比べられるのが楽しい。筆者を含め同行者のほぼ全員がボトルを購入していたことからして、値段と味のバランスが最も良かった1軒と言って良さそうだ。
Nashdale Laneについては、テイスティング中に別の大型団体が入ってきてしまったため話を聞けず紹介できることが限られるのが残念だが、写真の通り団体用に用意されていたプレートの盛り付けの美しさは目を見張るものがあった。
そしてHeifer Stationの特徴は、敷地内でポニー、アルパカ、豚、ヤギ、アヒルなどが飼育されている点。コアラやカンガルーなどオーストラリアならではの動物ではないものの、フレンドリーな動物との触れ合いは確実に心に残るし、ぶどう畑のなかでのピクニックも楽しめた。
もちろんNashdale LaneもHeifer Stationも、筆者はワインの専門知識がないので適切な表現ができないが、酒好きであれこれ飲んでいる身からしてプレミアムワインの名に恥じない味わいと感じたことは間違いない。ちなみにテイスティングについては、ハムやサラミ、チーズ、ジャムなどが少しだけ添えられるだけでも相性や特性の違いをはっきり感じられ、段違いにイメージが膨らんでいくので工夫の余地がありそうと感じられた。
なお、オレンジでワイナリー巡りのツアーを提供している業者は何社かあるらしいが、今回はUncork Orange ToursとVine Venture Toursが担当してくれた。特にUncork Orange ToursオーナーのLynette Rae氏のホスピタリティは個人的に過去一番で、旅行会社にとっても頼りになるのではないかと思う。