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地域に分け入るJAL社員たち~関西広域・兵庫県編~

  • 2022年4月22日

「城崎」と「カニ」だけではない「豊岡のローカル」
「KANSAI」エリアの魅力を世界へ

-地域が抱える課題や目標、それに対する取り組みについて教えてください。またその課題のなかで、JALからの出向者の方に期待することは何でしょうか。

 観光需要の関西圏への依存や冬場のカニシーズンへの偏りなど、地域的、時期的偏差が生じているのが現状です。関西圏の⼈⼝減少は⾸都圏よりも厳しくなることが予想される中、コロナ禍がもたらした変化を⾒据えつつ、如何に観光需要の平準化と拡大を図り、売上の維持向上、新規市場の開拓等に対処していくかが⼤きな課題です。

 この解決に向け、まちの将来像として「小さな世界都市-Local & Global City-」を旗印に掲げ、「人口規模が小さくてもローカルであること、地域固有であることを通じて、世界の人々から尊敬され、尊重されるまち」を目指し、インバウンド施策等にも取り組んできました。19年度には観光産業のあるべき姿や今後の方向性を示す「豊岡市大交流ビジョン」を策定。観光の核となるものを、「モノ」や「食」の消費から、豊岡の歴史や風土に根ざした環境や文化、ライフスタイルなどの「豊岡のローカル」への憧れや共感へと捉え直し、市⺠と多様な訪問者、広義の観光産業がこれを核に相互に作用することで、様々な交流、ポジティブな反応が生み出されることを目指しています。

 JALとの連携・協業は、「小さな世界都市」、「大交流」実現の推進エンジンの1つとなり、さらに「豊岡のローカル」を世界に発信していくものと期待しています。出向者の知見やネットワーク、本市における活動が、より多くの「豊岡ファン」獲得に繋がっています。

城崎温泉夢花火

関西観光本部

広報企画部コミュニケーショングループ 中林隆志さん

10年以上の大阪・東京での総務・経理を担当した後、直近では2017年にお客さまサポート室にて、お客さまからの多岐に渡るご意見・ご要望に真摯に向き合い、貴重なご意見を現場に届けて改善を行う業務を行ってきました。

コロナ禍以前の2019年より関西観光本部へ出向。コロナ前は、当本部のアメリカ人スタッフとともに、在日外国人の方々に協力を得ながら関西の歴史深いスポットへ直接赴き、参加した在日外国人が旅行者目線に立って、関西の魅力を伝える業務を行ってきました。現在は大きく業務も変わり、広報企画部コミュニケーショングループとして、広報対応、コーポレートサイト管理、SNS等の各種情報発信、会員様との情報連携を主な業務としています。

-住んでみて初めて知った地域の特色や、お薦めの観光素材はありますか。

 関西地域の特色は、京都や奈良に代表される日本の都として、数多くの歴史的文化財に溢れていることです。荘厳な建物・自然を目の当たりにしながら、頭の中で歴史を回想する楽しさは格別です。また一方で、その地域で味わえる農産物・魚介類・酒類等、取り寄せでは味わえない新鮮なものに出会えることが楽しみです。「地産地消」といった言葉もある通り、そこでしか味わえない食を体験することは、旅の醍醐味です。

 私のおすすめの料理は、和歌山県のかどや食堂のしらす丼です。仕事を忘れてしまうぐらい至福の時でした。私が訪れた地域はほんの僅かであり、まだまだ未到達な地域を訪れることにワクワクを感じています。

和歌山県かどや食堂のしらす丼

-出向して最も解決したいと感じた課題は何でしょうか。

 海外からいらっしゃる訪日外国人旅行客の皆様には、大阪・京都・兵庫・奈良を拠点として、1歩足を延ばしていただくことが広域連携DMOとしての役割となります。

 「関西」という言葉の認知度は世界においてはまだまだ、低い水準にあります。2025年には大阪で万博が開催予定ですが、今回の2025年の万博の英称(Expo 2025 Osaka, Kansai, Japan)でも「KANSAI」と刻まれています。この機会にしっかりと関西の認知度を広め、大阪・京都のゴールデンルートとともに、関西周遊に繋がるプロモーションを行っていきたいと思います。