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地域に分け入るJAL社員たち~石川県編~

  • 2022年3月14日

CAの経験活かし、誰もが安心して金沢を楽しめる環境づくり
小松市が世界に誇る産業コンテンツを観光へ


-地域が抱える課題や目標、それに対する取り組みについて教えてください。またその課題のなかで、JALからの出向者の方に期待することは何でしょうか。

 東京オリパラでは、フランスとロシアの代表選手団の事前合宿を受け入れました。狙いとしては、大会後も選手団との交流を続けることでスポーツ文化を定着させ、将来の選手育成につなげること、市内のバリアフリー化、共生社会の推進、パリ大会に向けたプロモーションなどが挙げられます。合宿期間中はJALから7名の出向派遣をいただいていましたが、現在は4名の出向期間を延長し、事前合宿サポートで得たノウハウと金沢での生活、これまでのJALでの経験等をもとに、前述の「狙い」を実現するための具体的な政策提言をお願いしています。

-今後の需要回復も見据えて、コロナ後はどのようなターゲットにどのような商品・素材を紹介していきたいですか。
昨年誘致して人気となった、市内の謎を解きながら周遊する「金沢謎旅」

 2018年に「金沢文化スポーツコミッション」を設立し、文化やスポーツの全国大会誘致を本格化しました。地元団体と協力し、大会誘致に成功した場合は奨励金を払う制度や、会場で伝統芸能を披露したり、工芸体験ブースを設けるなど、独自の手厚いサポートが全国に知られるようになり、誘致件数は毎年、過去最多を更新しています。

 大会期間中は、主催者、参加者、サポーター等にクーポンなどを提供して市内観光や文化体験などを楽しんでいただき、大会終了後はSNS等を通じてスポーツや文化、観光情報や特典を配信することで再訪問を促しています。今後も文化×スポーツ×観光を組み合わせることにより、地域の活性化と経済効果の波及を目指したいと思います。

 また現在、大会誘致は自治体ごとに行っていますが、近隣の自治体や事業者と連携すればエリアとして誘致できる件数は確実に増加します。例えばオリパラの事前合宿では、本市は50m屋外プールを持たないため、隣接する白山市と連携しました。2024年春の北陸新幹線敦賀駅延伸のチャンスを活かし、広域連携による大会誘致に取り組んでいきたいと思います。

石川県小松市役所

にぎわい交流部観光交流課 越川達也さん

大学卒業後、高速道路会社のグループ会社で休憩所(サービスエリア、パーキングエリア)に入居しているテナントの運営・管理をしていました。その後、生まれ故郷である石川県にUターンし、2019年4月にJALスカイ金沢に入社。JALスカイ金沢では、カウンターやゲート業務などの旅客業務の他に、JALに関連したイベント企画・運営も行っていました。

小松市出向後は、観光誘客施策において「産業観光の推進(のりもの・ものづくり)」や「姉妹都市交流事業」業務の他に、JALグループと小松市との連携において、多岐に渡る業務を担当しています。
-住んでみて初めて知った地域の特色や、お薦めの観光素材はありますか。

 私は石川県金沢市育ちのため、小松市にはJALスカイ金沢に入社した2019年4月から住み始めました。当初の印象は「空港のある町」「歌舞伎」のイメージしかありませんでした。ですが、実際に住み始めてみると、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで1つ星を獲得」した那谷寺、「日本遺産に登録された」小松の石文化と安宅の北前船文化、「皇室も訪れたことがある」日本有数の苔庭、苔の里など魅力的な観光地が多く、個人的にもおススメです。

苔の里

 また、小松で生まれ育った方々は地元愛にあふれた方が老若男女問わず多いのも印象的です。その1つとして豊かな食文化というのも影響しているかもしれません。海鮮は勿論のこと、農産物や地酒、和菓子にB級グルメなどなど、地元で長年愛されてきた美味しい食が目白押しで私も虜になっています!

300年以上の歴史をもつ小松うどん

-出向して最も解決したいと感じた課題は何でしょうか。

 小松市は、「北陸新幹線 小松駅(2024年春開業予定)」、「小松空港」、「高速道路 小松IC」という交通インフラが揃った「交通の要衝」です。地方都市で「新幹線」「空港」「高速道路」が存在する、かつ密集しているのは珍しく、その利便性や潜在的活用を見出した施策やイメージ発信をもっとすべきではないかと感じるようになりました。

 そこで、交通産業が身近にあることを市民の方々に感じていただくため、イベント形式で各交通関連施設の見学・体験会を企画しました。北陸新幹線小松駅の工事現場や高速道路の働く車の見学、飛行機の実機見学等、小松には交通に関わる乗り物や施設があり、魅力的なのだということを知っていただけるかと思います。

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