ゆくゆくはイエローストーンを超える国立公園に―阿蘇火山博物館 岡田誠治常務理事

  • 2022年2月8日

ガイドマッチングなどDXを積極的に推進
夜と冬の集客に向けてさまざまな仕掛け

-阿蘇観光の課題があれば教えてください。

岡田 阿蘇エリアはまる1日楽しめるところですが、これを2日、3日と滞在時間を伸ばしていくことが課題です。また、冬の集客にも長年課題がありました。宿泊を増やし、冬の集客力を高めていくために、昨年開催した「阿蘇ナイトミュージアム」をベースに、夜と朝のアクティビティを組み込んだプログラムを2月13日から3月13日の期間、計10回開催する予定です。

 また、この様子を撮影し、オンラインで配信することで、さらなる誘客を進めていきたいと考えています。将来的にはインバウンド向けにも訴求力があるのではないでしょうか。実証の結果を見ながら、継続的に実施できればと期待しているところです。

 コロナ禍の今でも4月から11月には観光客は来ます。しかし、これまで夜と冬の集客は諦めていたような気がしています。既成概念を変えていく必要があると思っていますが、そのためにもNECのソリューションは我々にとって大きな存在となっています。DXやアウトソーシングを進めながら、経営効率を高めて、自立しながら、復興を進めていく。色々なお知恵をお借りしながら、前進させていく。それが血となり肉となり、基盤となっていくと考えています。

-旅行会社との連携については、どのようにお考えですか。

岡田 現在のところ、ガイド予約システムの商品は21本ありますが、その中にはパッケージ化が可能なものもあるだろうと思っています。阿蘇には噴火口という超目玉の観光資源があります。単なる見物ではなく、もっとそのストーリーを理解してもらえるような商品を増やし、旅行会社の方々にも利用してもらえるようになればと考えています。

-最後に旅行業界へのメッセージをお願いいたします。

岡田 阿蘇は観光産業の方々の支援がないと復興できません。ぜひ阿蘇観光について忌憚のない意見を伺いたいと思っています。ようやく地盤整備はできましたので、プロの方々のご意見は参考になります。我々は山頂で考えているだけですが、観光業界の方は広い視野を持っておられます。そういうお知恵をお借りしたい。

 当館は、自然科学系の取り組みは先進的ですが、観光分野はまだ弱いところがあります。来館者が最低でも年間10万人になれば経営を維持することができます。「阿蘇くじゅう国立公園」は日本を代表する国立公園ですが、ゆくゆくは来園者数で米国のイエローストーンを超えたい。それが私の夢です。

-ありがとうございました。