ハワイの「今」を駐在員の視点から-進むコロナ共存、1月の観光客数は前年の3倍に
ハワイにおける自主隔離の基準
ハワイ州では国の指針に沿って下記のように設定しています。
●陽性者(ワクチン接種の有無に関わらず)及び濃厚接触者(ワクチン未接種):5日間自主隔離、その後の5日間はマスク着用が必須
●濃厚接触者(ワクチン接種済、ブースター接種済):自主隔離不要、ただし10日間はマスク着用が必須で5日目に検査を受ける
基本的に10日間は行動に関して制約がありますが、ワクチン接種者は濃厚接触となっても自主隔離は不要です。しかしながら、陽性の場合は無症状でも自宅待機となるため、欠勤が引き起こす人手不足の影響が各方面に出ています。
特に医療機関では陽性者急増の影響が大きく、感染者数が多いと相対的に増える入院患者の増加で病床の収容率が100%を超えた病院が出てきました。また、医療従事者の陽性診断による欠勤も増えたため、米本土から600名もの応援医療スタッフが到着しています。また、献血の提供者が危機的に減少しており、交通事故や心臓発作の手術が行えない可能性も出てくると伝えられています。
学校教育にも影響が出ており、教職員や生徒の自主隔離が増えたために、対面授業からリモート授業へ再移行する学校も出ました。また、1月の新学期から「対面授業」へ移行予定だったハワイ大学も、月末までリモート授業を継続することとなりました。
ハワイにおけるワクチン接種の進捗状況
1月末時点での島別のワクチン接種完了者(2回接種)の割合は以下となっています。
州全体 | ホノルル | マウイ | ハワイ | カウアイ | |
---|---|---|---|---|---|
12月 | 74.1% | 77.0% | 67.0% | 66.0% | 71.0% |
1月 | 74.6% | 78.0% | 68.0% | 66.0% | 71.0% |
オミクロン株の蔓延にもかかわらず、接種率はあまり増加していませんので、ほぼ頭打ちになったと思われます。ただ、この表の接種率は全州民に対する数値で、ワクチン接種可能な5歳以上の人口比でみると、州全体で79.6%、特に接種率の高いオアフ島では83%と8割を超えています。
その他、ハワイ州保健局が公開している統計では「人種別」の接種率も閲覧が可能です。アジア人、黒人、白人、ハワイアン&太平洋諸島民、その他、の区分で公表されていますが、州人口のほぼ4割に達するアジア系が100%となっています。これが、全米と比較して高いハワイの接種率の大きな要因になっていると思います。
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