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旅行会社社員も「個」の時代!コロナ禍だからできることを考える

  • 2021年2月17日

社会人の1日の平均学習時間はわずか6分
個々人のスキルアップが旅行会社の付加価値を上げる

旅行会社の社員はどんなスキルアップができるかを考えてみましょう。

JATAのエリアスペシャリストのホームページ  旅行関係で取り掛かりやすいものでいうと、例えば、総合旅行業務取扱管理者や国内旅行業務取扱管理者の国家資格を持っていない人は秋の試験に向けて勉強を始めることや日本旅行業協会(JATA)が実施しているトラベルコーディネーターやエリアスペシャリストの講座を受講してみることも1つのチャレンジになり、スキルアップにつながります。一般資格のインバウンド実務主任者や観光英語検定などの資格取得に向けての勉強も同様です。第1回目のコラムで書かせて頂いた「SDGs」について学ぶことも今後の旅行商品の企画や販売に活きると思います。

 今は旅行関係以外のことを学び、実践できるチャンスでもあります。例えば、旅行の企画をしている人はウェブマーケティングやサーチエンジンマーケティングを学んでみることでSEOや広告、ランディングページの構成、顧客分析などを学ぶことができ、「旅行企画xSEO」や「旅行企画xウェブマーケティング」の視野を持つことができます。今後、旅行業界はデジタル化が加速していきますが、今現在、旅行会社の営業や企画担当者でこの分野まで踏み込んで知識を持っている人は非常に少ないです。

 また、新型コロナの影響により、副業が解禁された旅行会社が数多くあります。コロナ終息後も副業ができる環境が継続すればよいですが、旅行関係以外のことで副業をすることはスキルアップに大きくつながります。

 例えば、ライティングを学び「クラウドワークス」や「ランサーズ」を利用して実際にライティングの委託業務を受ける、語学が堪能であれば翻訳業務を受ける、デザイン制作が得意であればロゴやイラストの発注を受ける、写真や動画が好きであれば編集作業を受けるなど可能です。専門的な知識があれば、その知識を自分のサービスとして「ココナラ」や「note」のようなオンラインプラットフォームで販売することもできます。学んだスキルや得意なスキルを実践することで、副業として収入を得ることができるチャンスがあり、本業の収入が減った分のリカバリーをすることも可能です。

 旅行業は有事が発生した時にマーケットが一気に落ち込みますが、会社が瀕死の重体の時は個人で行動して突破口を見出さざるを得ません。市場が戻るまでじっと待つのか、あるいはこの状況下でも学びや実践を取り入れてリカバリーするかどうかは個人次第となります。

 また、個人個人がスキルアップを目指し知識や経験が増えることで、外で得た知識や経験を持ち寄り、新型コロナ終息後には「旅行x〇〇」や「旅行x▢▢」のような旅行プラス何かの付加価値を旅行会社として作り出せると思っています。また、そういった旅行会社やスタッフが今後生き残っていくのではないでしょうか。

 旅行会社に所属している人は今の時間を無駄にせず、スキルアップに注力して副業につながるようにし、この難局を乗り切ってもらい、旅行需要が戻った時には「旅行x〇〇」が実践できるように現場に戻ってきてもらいたいと願っています。

 皆さんがこのコロナ禍で新しく勉強したことや取り組んだこと、また、旅行会社社員が前を向けるようにこの勉強をやっておいた方がよいとかこの取り組みはおもしろいなどあれば、是非コメント欄に共有をお願いできればと思います。

柴田 真人 / Masato SHIBATA
大学生時代にオーストラリアのタスマニア島で過ごし、旅行会社に就職。15年間の旅行会社勤務時代には主に東南アジア方面の仕入れや企画に従事。また、フィリピンでの5年7ヵ月間の海外赴任を通して、アウトソーシング事業の立ち上げからインバウンド事業における現地支店の立ち上げ及び日本マーケット初のチャーター便運航のプロジェクトなどを経験。その後、2018年に合同会社 RT Collectionを設立。