オンラインの現状と課題は?航空会社とOTAがリアルな意見交換
トラベルポート主催、モバイル獲得の必要性と難しさ
クチコミ対策、不満解消策は?
予約時の不満解消のために
「予約時に不満に感じる点」の問いに対する回答で多かったのは、「運賃のルールやキャンセル、変更の条件などが複雑」48.6%や「アンシラリーサービスの料金が分からない」47.8%など。航空会社の登壇者からは「航空会社の社員でもすべては覚えられない。分かりやすさが必要だ」や「運賃が複雑すぎると我々も認識しており、いま社内でシンプル化に向けたディスカッションが始まっている」と問題意識を市場と共有している様子がうかがえた。
一方、OTAからは「何が最良なのか厳選して、お勧めをクイックに伝える工夫が欠かせない」(柴田氏)、「旅行に限らずEC全体の問題として、キャンセルしやすいサイトのリピート率が高い傾向がある。逆ならリピート率も下がる。利用頻度を上げるには検討が必要」(今井氏)との意見が出た。アンシラリーサービス対応に関しては「アンシラリーはアップセルの機会として意識しており、開発力を生かして来年にはローンチしたい」(吉原氏)と前向きな対応が進められている状況だ。
ただし、「アンシラリーサービス対応は外資系OTAも当然やってくるので、我々も早く手を付けねばならないが、旅行者にとって本当に必要な情報と、そうでないものを仕分けなければ」(田村氏)とする声も。田村氏は「必要な情報が動線に入るとコンバージョン率が下がる。すべての情報を全員に提供すればいいというわけではない」と難しさも指摘した。
トラベルポートのオンラインビジネスは26%増
なお、パネルディスカッション後のセミナー後半では、トラベルポートのオンラインビジネスの現状について、トラベルポート・ジャパンでOTAマネージャーを務める露木拓也氏が説明。露木氏によると、アジア太平洋地域におけるトラベルポートのオンラインビジネス成長率は26%に達しており、さらなる成長に向けたサービス改善として、例えば17年に3秒だったレスポンスタイムが18年は1.3秒にまで短縮でき、さらに20年には1秒以内をめざしているという。
さらに、NDC対応の最新状況についてはシニアソリューションマネージャーの高橋章氏が解説。同氏は、「今年はNDC認証のレベル4が登場し、NDCオーダーの再計算や変更計算への対応が可能になり、NDCでできることが増えたという大きな変化があった」と説明したうえで、「20年はNDC導入が拡大し、システム面に加えて運用面においても普及期に入るだろう」との見通しを語った。