オンラインの現状と課題は?航空会社とOTAがリアルな意見交換

トラベルポート主催、モバイル獲得の必要性と難しさ
クチコミ対策、不満解消策は?

どう活用する?クチコミやレビュー

Ctrip 吉原氏

 また、タビマエにおけるレビューサイトの利用状況では、「ほぼ毎回利用」が30%、「時々利用」が50%、「利用しない」が29%という結果に。これについては航空会社、OTAがそれぞれの対応方針を説明。まずUA高橋氏は、「ネガティブ情報を含め専門チームが極力対応し、関連部署とも連携する体制」であると説明。そして、「SNSで炎上しても、根気よくお詫びとともに対応を重ねていくと、ある時点から今度はサポートしてくれる側の書き込みが増えるといった現象が現れる」とした。

 また、丸山氏も「ネット社会で必然的なもの。対処法は一つ。真実を素早く伝えること」というJLの方針を説明した。吉原氏は「問題が起きる場合は間違った情報に基づく誤解もある」とし、「当社では多くの人員を割いてSNSの書き込みをモニタリングしており、問題を見つければできる限り相手にコンタクトして誤解を解く努力をしている」という。

 一方、柴田氏はクチコミの影響力を認めつつも、「多くはネガティブチェックに使われ、自分の許容範囲か否かを見極める手段となっているのでは」と分析し、反対に「ポジティブに背中を押す力はない」との見方を示した。そうしたなかでベンチャーリパブリックとしては、数年前から自前のコンテンツ作成に力を入れており、「ポジティブな面に光を当てて情報発信している」とした。

フライト&ホテルの同時予約の必要性

ベンチャーリパブリック 柴田氏

 調査では「フライト、ホテル別々の手配は手間である」を問題提議しており、これに対する回答は「そう思わない」38%、「どちらでもない」28%、「そう思う」30%と拮抗した。これについて高橋氏は、「旅行をすれば、いずれにせよフライトとホテルを予約することになる」ことから、「UAでは以前から自社サイトに同時購入の機能を持たせている」ことを紹介。そして、「UAは自社サイトの販売重視かといわれることもあるが違う。UAサイトでは見られない情報で予約したい旅行者は必ずおり、自社サイトとOTAのサイトの両面が必要だ」と述べた。

 丸山氏は「客のニーズはパッケージツアーからダイナミックパッケージに移り、またパッケージに回帰するニーズもある。アラカルトか組み合わせか、人それぞれの生き方とチョイスの問題で一様ではない。したがってJLとしてはいずれにも対応できるデパート商法で対応している」という。