国際線需要、9月までで4.3%増、やや減速傾向も-IATA調査

  • 2019年11月13日

 国際航空運送協会(IATA)によると、2019年1月から3月までの国際線市場で旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は前年比4.3%増となった。全方面とも前年を上回っており、特に欧州は5.3%増と好調だった。座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)では、合計は3.8%増で方面別ではこちらも欧州が5.0%増と最大の増加率。全体のロードファクターは82.3%で、方面別では欧州が85.9%、北米が84.4%、ラテンアメリカが83.2%、アジア太平洋が80.9%と8割を超えた。

IATA 2019年1月~9月 国際線需要動向

方面RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
アフリカ+4.3%+3.9%71.5%+0.3pt
アジア太平洋+4.3%+4.4%80.9%+0.0pt
欧州+5.3%+5.0%85.9%+0.2pt
ラテンアメリカ+4.2%+2.9%83.2%+1.0pt
中東+1.9%+0.8%76.8%+0.9pt
北米+3.9%+2.4%84.4%+1.2pt
合計+4.3%+3.8%82.3%+0.4pt

 9月単月では、全体はRPKが3.0%増、ASKが2.6%増といずれも1月からの累計より低い伸び率を記録。方面別でRPKを見ると、北米が4.3%増と最大の伸び率を示し、次いでアジア太平洋が3.6%増となっている。ASKではアジア太平洋が5.0%増となった以外は、高くても2%台の伸び率となった。

 RPKの伸び率を4月と9月で比較すると、北米で2.9%増から4.3%増、アジア太平洋で3.3%増から3.6%増と増加しているものの、その他の方面は伸び率が鈍化。特に欧州は4.2%増であったところから2.9%増に、さらにアフリカは4.1%増から0.9%増に急落している。

IATA 2019年9月 国際線需要動向

方面RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
アフリカ+0.9%+2.5%71.7%-1.1pt
アジア太平洋+3.6%+5.0%78.2%-1.1pt
欧州+2.9%+2.5%86.9%+0.3pt
ラテンアメリカ+1.2%-1.6%82.5%+2.3pt
中東+1.8%+0.2%75.2%+1.2pt
北米+4.3%+1.6%83.0%+2.2pt
合計+3.0%+2.6%81.6%+0.3pt

 なお、国内線需要は、1月からの累計ではRPKが4.7%増でASKが4.2%増、ロードファクターが83.9%。9月単月ではRPKが5.3%増でASKが4.7%増、ロードファクターは82.3%となっている。

IATA 2019年9月 国内線需要動向

市場RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
オーストラリア+1.8%+1.4%81.7%+0.3pt
ブラジル+1.7%+0.3%81.7%+1.1pt
中国+8.9%+10.1%83.5%-0.9pt
インド+1.6%-0.4%85.8%+1.7pt
日本+10.1%+6.5%77.9%+2.5pt
ロシア+3.2%+5.5%85.7%-1.9pt
米国+6.0%+3.8%82.7%+1.7pt
合計+5.3%+4.7%82.3%+0.5pt

IATA 2019年1月~9月 国内線需要動向

市場RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
オーストラリア+0.1%+0.2%79.4%-0.1pt
ブラジル-0.3%-2.5%82.4%+1.8pt
中国+9.0%+9.6%85.0%-0.4pt
インド+4.8%+4.6%87.4%+0.2pt
日本+4.5%+3.4%73.3%+0.8pt
ロシア+7.6%+7.8%83.9%-0.1pt
米国+4.3%+3.2%85.7%+0.9pt
合計+4.7%+4.2%83.9%+0.4pt
◯有償旅客キロ(Revenue Passenger Kilometer、RPK)=運航距離×有償旅客数
◯有効座席キロ(Available Seat Kilometer、ASK)=運航距離×座席数
◯ロードファクター(Load Factor)=RPK/ASK