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出国税、しくじらない旅行者への説明方法は-JATAに聞く

会員企業向けに2つの説明文案
現場の負担を最小化するには

国税庁が入る財務省本庁舎 日本旅行業協会(JATA)はこのほど、会員企業向けに「国際観光旅客税に関する旅客への案内文について」と題した文書を発出した。来年1月7日以降に日本を出国する旅行者が、1人につき1回1000円を徴収される国際観光旅客税(いわゆる出国税)について、徴収を代行する旅行会社の徴収漏れや誤徴収などを回避することが目的。パッケージツアーのパンフレットなどに記載する旅行者への説明文として、2つの案を提示している。

 国際観光旅客税は、航空会社やクルーズ船社などが「特別徴収義務者」となって航空券料金などに含めて徴収するもの。ただし、1月6日以前に締結した運送契約(航空券の発券など)は適用外となるため、18年度下期のパッケージツアーについては、同じ商品でも発券日によって旅行代金に差が生じる可能性がある。本誌が入手した文書が示す文案は以下の通りで、JATAは各社に参考にするよう促している。

【案1】
平成31年1月7日以後に出国する旅行者から国際観光旅客税(1000円)が導入されます。
当社では1月7日以後に航空券を発券したお客さまから徴収させていただきます。

【案2】
平成31年1月7日以後に出国する旅行者から国際観光旅客税(1000円)が導入されます。
当社のツアーでは○月○日(各社で設定)以降にご出発されるお客様については、国際観光旅客税が導入される1月7日以降に発券することとなりますので、本税を徴収させて頂きます。

*1月7日以降に発券したお客様から徴収できるように準備してください。
*設定日以後の出発顧客に関して、1月6日以前に発券した場合は国際観光旅客税を徴収することはできません。

 本誌の取材に応えたJATA海外旅行推進部部長の權田昌一氏は、文書を発出した背景について「法律を守りつつ、下期商品の販売の現場を混乱させないために、国税庁や観光庁との協力のもと発出した」と説明。あわせて「1月7日以降、しばらくは同じ商品でも航空券の発券日によって出国税を徴収したりしなかったりするが、そもそも旅行会社の通常の接客業務では、旅行者に『○日に発券します』とは伝えない。(徴収する・しないの)違いの説明においては混乱を招く可能性がある」と見通しを示す。

 また、「社内の販売スタッフや契約販売店にも、適切な説明や指導が必要になる」と課題を指摘。「普段は国内旅行商品ばかりを販売している店舗スタッフが、イレギュラーな状況にどう対応するのかが難しい。わずか1000円のこととはいえ、お客様にうまく説明できないだけで旅行会社としての信頼を失うようではいけない」と語る。

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