海外旅行概況、17年1Qは4ポイント増-欧州が回復傾向
日本旅行業協会(JATA)が2月7日から23日にかけて、会員567社を対象に実施した旅行市場動向調査で、2017年1月から3月までの3ヶ月間の海外旅行のDI値(※)はマイナス28ポイントとなり、前期(16年10月~12月)から4ポイント、前期に発表した見通しからは1ポイント改善した。旅行会社からは、テロ事件の影響を受けたヨーロッパについて「徐々にではあるが回復傾向が見られる」との声が挙がったという。このほか、学生旅行については「1月から3月までは復活している感がある」といったコメントも寄せられた。
業態別では、「総合旅行会社」が大きく伸長し、28ポイント増のマイナス14ポイントとなった。次いで「リテーラー1」が4ポイント増のマイナス19ポイントとなったほか、「インハウス」「海外旅行ホールセラー」が前年を上回った。一方「海外旅行系旅行会社」は24ポイント減のマイナス16ポイントと2桁減となったほか、「リテーラー2」も2ポイント減のマイナス37ポイントに。「ネット系旅行会社」は前期並みのマイナス50ポイントだった。
方面別では、最も伸長したヨーロッパが24ポイント増のマイナス42ポイントに。また、ハワイ、ミクロネシア、アメリカ・カナダも前年を上回った。一方、オセアニアは10ポイント減のマイナス27ポイント、韓国は6ポイント減のマイナス48ポイントなどとなった。
顧客層別では、60歳以上のシニアが20ポイント増のマイナス3ポイントで最も伸長。次いで、教育旅行を除く学生が17ポイント増のマイナス38ポイント、ファミリーが10ポイント増のマイナス25ポイントなどとなった。唯一前期を下回ったのは商用・視察で、4ポイント減のマイナス16ポイントだった。
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※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」の4項目を用意し、集まった回答を数値化したもの。回答数から「取り扱っていない」と回答したものを除いた数を母数として、各回答のシェアを算出し、「良い」の割合から「悪い」の割合を引いて、景気動向指数に加工している。