政府、旅館業法改正案を閣議決定、罰金上限大幅上げ
政府は3月7日、「旅館業法の一部を改正する法律案」を閣議決定した。法案は厚生労働省と観光庁による「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」の最終報告書や、内閣府の「規制改革推進会議」での議論などを踏まえたもの。無許可営業など旅館業法に違反する者への罰則を強化するとともに、これまでは別々に取り扱っていたホテルと旅館の営業許可を一本化する。法案は3月中に通常国会に提出する予定だ。
厚生労働省によれば罰則の強化については、無許可営業者や、都道府県の許可取消や営業停止命令に違反した者などに課す罰金額の上限を、今までの3万円から100万円へと大幅に引き上げる。都道府県知事による立入検査を拒んだり虚偽の報告をした場合などの罰金額の上限も、現行の2万円から50万円に引き上げる。さらに、これまでは営業許可を得ている業者のみとしていた、都道府県知事による立入検査などの対象を、無許可営業者にも拡大する。
このほか、旅館業法の第2条で「ホテル営業」「旅館営業」と分けていた営業種別を「旅館・ホテル営業」に統合。「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの」と定義する。
政府は昨年4月に旅館業法の施行令などを改正し、「簡易宿所」の枠組みを利用して民泊サービスに対応しているところ。ただし、このほど厚生労働省が発表した民泊の実態調査によれば、民泊仲介サイトに登録されている全国の1万5127件の物件のうち、無許可は30.6%、住所などが特定できない「物件特定不可・調査中など」は52.9%に上った。なお、開催中の通常国会には「民泊新法」の法案も提出される見通しだ。