ジカ熱、流行語候補も依然として認知度低く-世論調査
内閣府はこのほど、9月から10月にかけて全国の18歳以上の日本人3000人を対象に実施した「ジカウイルス感染症に関する世論調査」の結果を公表した。妊娠中に感染すると胎児に小頭症などが現れる危険性があることで注目を集め、「2016ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされたジカ熱だが、「詳しく知っている」または「ある程度知っている」と回答した人は半分強にとどまり、危険性に対する認知度は依然として低いことが明らかになった。有効回答数は約6割にあたる1831人で、年齢や性別ごとの割合は示していない。
認知度については「どのような病気か詳しく知っている」と回答した人は9.1%と1割以下ににとどまった。「どのような病気かある程度知っている」は44.9%、「名前だけ知っているが、どのような病気かは知らない」は37.7%で、「まったく知らない」は7.9%に上った。
複数回答でジカ熱の予防方法を問う質問では、防蚊に関する対策は概して認知度が高く、「長袖・長ズボンを着る」は最多の72.9%。以下は「虫よけスプレーなどを使用する」が54.1%、「蚊を増やさないように植木鉢の受け皿やバケツなどに水がたまらないようにする」が51.7%でともに半数を超えた。「ペットボトルや空き缶などの水がたまりやすい不要物を片付ける」は40.3%、「白など薄い色のシャツやズボンを選ぶ」は27.0%だった。
一方で、人から人への感染における対策の認知度は低く、「流行地域から帰国した人は、最低2週間は蚊に刺されないようにする」は22.7%に。ジカウイルスが精液を介して他人に伝染することの認知度はさらに低く、「流行地域に滞在中は性行為の際にコンドームを使用するか性行為を控える」は14.6%、「流行地域から帰国したパートナーが妊娠中の人は、最低8週間(11月1日時点の知見では最低6ヶ月間)は性行為の際にコンドームを使用するか性行為を控える」は14.3%と、いずれも2割以下となった。そのほか7.4%が「特にない」、5.6%が「わからない」と答えた。
予防に関する情報の入手先を問う質問では、「テレビ・ラジオ 」が圧倒的に多く83.8%。以下は「新聞・雑誌」が34.6%、「インターネット」が16.0%と続き、「家族、友人、知人との会話」は11.0%と、日常の会話では話題に挙がるケースが少ないことが浮き彫りになった。「Twitterなどのソーシャルメディア」も3.2%にとどまった。
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