現地レポート:カナダ・ケベック州、大河が育む観光資源

  • 2016年6月9日

魅力的な自然と歴史のハーモニー
ホエールウォッチングから先住民の文化体験まで

フェアモント・ホテルの優雅なリゾートライフ
天文観測所で星空を楽しむ

一度は泊まってみたい「フェアモント・ル・マノア・リシュリュー」  ラ・マルべでは、川沿いの高台に立つフェアモント・ホテル&リゾートのホテル「フェアモント・ル・マノア・リシュリュー」に宿泊した。ラグジュアリーなリゾートホテルらしく落ち着いた雰囲気で、客室やレストランから望むセント・ローレンス川の風景は多くの旅行者を惹きつけている。カジノが併設されているほか、ゴルフ、サイクリング、釣り、テニスなどのアクティビティが楽しめるのも魅力だ。

天文観測所ではシャルルボワの地形の成り立ちを分かりやすく説明してくれる  リゾートの近くには、「シャルルボワ天文観測所」もある。実は、シャルルボワ地方は約3億5000万年前に隕石が落下してできた、直径約54キロメートルにもおよぶクレーターのなかにある。観測所では、隕石に関わるストーリーがマルチメディアで詳しく分かるほか、実際に隕石の一部を触ることもできる。町から離れた郊外にあるため、漆黒の夜空で天体観測ができる場所としても人気だ。


先住民の暮らしと文化に触れられるワンダケ

「ワンダケ」ではヒューロン族伝統の踊りで歓迎してくれた  ケベック州の旅の魅力は、ダイナミックな自然やフランス文化に根ざした町だけではない。先住民が脈々と受け継ぐ文化もまた興味深いものだ。ケベック・シティ郊外にある、先住民のワンダット(ヒューロン族)の末裔たちが営むリゾートの「ワンダケ」を訪れたとき、その思いを強くした。

巧みな構造で造られたロングハウス  リゾートの敷地内には、ヒューロン族の村を再現した施設があり、彼らの文化や歴史を垣間見ることができる。彼らがかつて住居としていたロングハウスが再現され、そこに宿泊するプランも用意されている。客室はドミトリータイプだが、特別な体験を求める旅行者や教育旅行団体などの利用も多いという。

静かな場所にたたずむ「オテル・ミュゼ」  このほか、リゾート内にはラグジュアリーホテル「オテル・ミュゼ」もある。各客室は先住民の暮らしをイメージした内装や調度品で飾られ、モダンなデザインと伝統的なデザインが組み合わさり、少し長めに滞在したくなるような落ち着いた空間を作り出している。ホテル内の「ラ・トレイト」は、ケベック州のローカルフードを提供するレストランとして高い評価を受けている。ローカルフードとはいえ、フランス文化を色濃く反映した味と盛り付けは洗練されていて、特別な時に利用するレストランとして地元でも人気だ。

 ワンダケは、ケベック・シティの中心部から車で約30分。ケベック・シティに立ち寄るメープル街道を巡るパッケージツアーでも、新しい宿泊体験として日本人旅行者にも訴求力は高いだろう。また、シャルルボワ方面へのツアーに組み込こめば、「ケベックの自然と文化」というテーマ性がさらに高まるはずだ。

取材協力:カナダ観光局、ケベック州観光局、シャルルボワ観光局
取材:山田友樹