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現地レポート:カナダ・ケベック州、大河が育む観光資源

  • 2016年6月9日

魅力的な自然と歴史のハーモニー
ホエールウォッチングから先住民の文化体験まで

「フェアモント・ル・マノア・リシュリュー」の客室からセント・ローレンス川を望む  カナダのオンタリオ湖からモントリオールを経て、セント・ローレンス湾に流れ出るセント・ローレンス川は、ケベック・シティを過ぎたあたりで急にその川幅を広げる。雄大な大河の流れは、静かで穏やか。その豊かな自然から、川沿いのシャルルボワ地方はカナダでも有数の保養地となっている。今回はカナダ最大の旅行商談会「ランデブーカナダ2016」のファムツアーに参加し、モントリオールから車で北に5時間弱、ケベック・シティから北西に約2時間のシャルルボワ地方を中心に、ケベック州の自然や歴史、文化の魅力を探った。


小さな芸術の町、べ・サン・ポール

サン・ジャン・バティスト通り  シャルルボワ地方の入口にあたるのがべ・サン・ポールという小さな町。かつて周辺の豊かな自然に惹かれた芸術家たちが多く移り住んだことから、「芸術の町」と呼ばれるようになった。町の中心にあるサン・ジャン・バティスト通り沿いにはギャラリーや可愛らしい雑貨や食料品などの店が立ち並び、歩いているだけでも楽しい。特に女子旅にはお勧めだ。

べ・サン・ポールにはぶらりと立ち寄りたくなる店が多い地元産のフルーツを使った製品が並ぶ「シードル・ペドノー」 地方の美術館ながらあなどれない、べ・サン・ポール現代美術館  通り沿いにある店「シードル・ペドノー」に立ち寄った。この店は、地元産のりんごやベリー類、プラムなどを使ったシードル、ワイン、リキュール、ビネガーなどを取り扱っており、こぢんまりとした店内にはさまざまな商品が並んでいる。店内はすべてフランス語表示なのでわかりにくいが、店主が英語で気さくに相談に応じてくれる。このときは店主が「奥さんが料理好きなら、これがいいと思うよ」とりんご酢を勧めてくれた。店内ではテイスティングも可能。リンゴ酢はまろやかな酸味にりんごのフレーバーが鼻に抜けるとても爽やかな風味で、この土地を印象づける香りとしてピッタリだった。

 また、「べ・サン・ポール現代美術館」も訪問した。小さな美術館だが、同館のキュレーターによると、ケベック州のコンテンポラリーアートにとって重要な役割を果たしているという。美術館では、同州出身のアーティストの作品を中心に、ユニークな作品を常設展示しており、さまざまな企画の巡回展もおこなっている。同地の最先端のアートに触れれば、べ・サン・ポールの町歩きにもさらに奥行きが出てくるだろう。