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「新結合」でイノベーション、異業種とのコラボも-JATA経営フォーラム

  • 2015年3月19日

新たな要素の組み合わせで新たなビジネス
働き方の見直し、カウンター販売にとらわれない発想を

イノベーションを積極化
カウンター販売にとらわれない発想を

 また、同氏はインターネットやグローバル化の影響が増加していく現代は、「Borderless(境界喪失)」、「Information overloaded(情報過多)」、「Complex(複雑系)」の状況だと分析。こうした環境のもと、イノベーションやクリエイティビティの能力推進を課題だと感じているのは、日本に限らず、世界的な傾向だという。

 アドビ社のアメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・日本の5ヶ国を対象としたアンケート調査によると、大半の日本人は自らをクリエイティブであると考えていなかったが、諸外国から見ると日本はむしろ「最もクリエイティブな国」と評価されていると、井上氏は報告。日本がイノベーションを生み出す可能性は世界的に注目されているとして、「新結合」を視野に積極的に「外に出る」ことを推奨した。

 会場からは、「井上氏個人としては、旅行予約の際にインターネットではなく旅行会社のカウンターを訪れるとしたら、どのようなイノベーションの商品を求めるか」との質問が上がった。これに対して井上氏は「インターネットで直接予約ができる昨今、旅行会社のカウンターに行く理由が考えつかない、というのが正直なところ」とコメント。旅行会社は廉価のパッケージツアーが多いように感じることから旅行代金面でのメリットは感じるとしながらも「自分のニーズとは合っていない。もし希望の体験をアレンジできるのであれば、カウンターに行く価値があるのでは」と答えた。

 同氏は自身が楽しかった旅行として、アラスカ大学を訪れた折、講師の解説付きでオーロラを見たり、鮭を釣りながら10日間のキャンプをする機会に恵まれた経験を挙げた。その上で「旅行そのものの在り方を変えていくこと、カウンターをあまり意識しないで、まったく新しい発想をしていくことが大事では」と問い、従来のカウンター販売にこだわらないイノベーションへの展望を示唆した。


取材:福田晴子