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ソーシャルメディア活用でブランド構築へ-WITより

  • 2013年7月4日

ソーシャルメディアをトップが活用、ブランド構築へ

エアアジア・エクスペディア(AAE)CEOのキャスリーン・タン氏  パネルディスカッションでは、旅行業界がソーシャルメディアをいかに活用するかについても議論がなされた。タン氏はソーシャルメディアの活用方法として、エアアジア(AK)の成功事例を説明。「AKはブランドの人間化をはかった。信頼を得るためにはそれが必要だからだ」と語った。

 例えば、ヴァージン・アトランティック航空(VS)がリチャード・ブランソン氏のイメージと重なるように、AKではグループCEOのトニー・フェルナンデス氏やタン氏がソーシャルメディアを活用し、積極的に発信してきた。AKは中国を中心にソーシャルメディア上に20万人のフォロワーがいるという。タン氏は「(ソーシャルメディアの活用は)マネージメントにとって非常に大変なことで忙しくはなるが、それだけの価値はある」とした。

 ソーシャルメディアはブランディングに活用できる一方で、使う際には危機管理をしっかりとおこなうことも重要だ。タン氏はたとえば航空機トラブルがあった場合、航空会社からの報告や一般メディアから情報が伝わる前に、機内からの避難が始まった段階で乗客がソーシャルメディアへ投稿を始めているなどの事例を上げ、ソーシャルメディア経由で最も早く情報が発信されることを指摘する。

 こうした状況に対応する際に必要な点について、タン氏はトップの関与の重要性を改めて強調する。AKの場合、フェルナンデス自身がソーシャルメディアを使って常にメッセージを発信しているといい、「たとえばフライトオペレーションにトラブルがあった場合などもトップがすぐに反応する」と説明した。

エクスペディアホールディングス日本・韓国・ミクロネシア地区担当部長の明石匡史氏  一方、ヨースト氏はソーシャルメディアでの評価について、「企業は常にソーシャルメディアをチェックし、自社に関係がある事柄が発生した場合は、より中立的に対応する」必要があるとコメント。ソーシャルメディアで指摘された問題に対応し、解決することで「悪いレビューも最終的には良いレビューに変えられる」という。また重要な点として「とにかく評価を数多く書いてもらうことが重要。レビューは数が増えれば良い内容のものが増える傾向がある」とした。シア氏も「1人がレビューに悪口を書いていても、レビューの数が増えることで結果的に良いコメントとのバランスがはかられる」と指摘した。

 ただし、明石氏は評価サイトの評価と宿泊施設の実際のビジネスは必ずしも一致するものではないと話す。エクスペディアではソーシャルメディア上の評価も参考にしているが、明石氏は「悪いレビューがあっても、それだけで旅行者が判断するわけではない。当然ながらロケーションや料金といった別の魅力も加味されて最終的に判断される」点を示唆した。