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現地レポート:カナダBC州、今のMICEトレンドに沿うテーマと素材

  • 2012年2月10日

世界一グリーンな都市をめざすバンクーバー
新たなMICEデスティネーションとして注目

エコをテーマにした新しいみどころ

観光とエコロジーを調和させた、グラウス山のジ・アイ・オブ・ザ・ウィンド。一度に登れる人数は36名まで予約制 バンクーバー周辺には、観光ポイントとして楽しみながら、環境問題への関心を深めることのできる見どころがたくさんある。特に注目したいのが、バンクーバー市の北側に連なる山々の1つ、グラウス山に2009年にオープンしたジ・アイ・オブ・ザ・ウィンド。標高1231メートルの山頂に建てられた巨大な風力発電装置だ。

ジ・アイ・オブ・ザ・ウィンドの展望台からは360度の雄大な景色を堪能できる この風車で、スキーリゾートであるグラウス山の消費電力の約25%がまかなわれているが、ユニークなのは風車の羽の下にガラス張りの展望台が作られていることだ。バンクーバー周辺の街並みから壮大なカスケード山脈、アメリカのワシントン州にそびえる米国屈指の高峰ベーカー山、ジョージア海峡のフィヨルドなど、心揺さぶられる雄大な風景を360度のパノラマで見渡すことができる。観光資源とエコを共生させたこの風力発電所こそ、バンクーバー市がめざすグリーン・エコノミーを象徴するものだといえるだろう。

崖から大きくせり出した遊歩道、キャピラノ・サスペンション・ブリッジの「クリフウォーク」。床の一部が透明になっているところもある また、キャピラノ・サスペンション・ブリッジにも、グリーン・エコノミーを意識した新アトラクション「クリフウォーク」がオープンした。これは、高さ70メートル以上の崖から大きく空中にせり出した遊歩道を歩く、とびきりスリリングなアトラクション。遊歩道の建設には自然環境へのインパクトを最小限に抑えられており、ここを歩いた人が温帯雨林の保護など環境への関心が自然に深まるような工夫がされている。

バンクーバー・コンベンション・センターは、エコとサステナビリティに配慮した造りとなっている 会議やレセプションに利用しやすい施設そのものを、エコや福祉の見学に利用できるのも、バンクーバーならでは。例えば、昨年の冬季オリンピックのメディアセンターとしてオープンした、バンクーバー・コンベンション・センターの西館は、屋根を植物で覆ったり、海を埋め立てずに杭の上に建てるなど、環境へのインパクトを押さえ、エネルギー効率を最高レベルまで追求した建物だ。