年頭所感、新たな時代への対応、意識改革を-大手各社トップ
▽阪急交通社
代表取締役社長 生井一郎氏
「お客様の支持は全員の知恵、努力、工夫の賜物」
東日本大震災で、未だ多くの方が避難を余儀なくされている。被災地に関しては旅行会社としてできうる支援を積極的に行ない、復興支援の一助を担いたい。
昨年は震災、北アフリカ諸国の動乱など、旅行業は大変厳しい年となった。こうしたなか、当社の強みでもある「スピード感」をもって対応した結果、業績は予想を大幅に上回るペースで回復してきている。当社の「旅」がお客様に支持されている証であり、お客様の支持は社員全員の知恵、努力工夫の賜物だといえる。
本年度も取り巻く経営環境は依然として厳しい見込みだ。旅行会社の理論ではなく、お客様目線で考え作った商品が支持され、その商品をスピード感をもって提供できることが重要だ。厳しい競争に勝ち抜き、安定的な利益を確保し、安心して働くことができ、「勤めてよかった」と誇れる会社を築いていこう。
▽近畿日本日本ツーリスト
代表取締役社長 吉川勝久氏
「事業構造改革-自立経営と連携強化」
激動する市場に的確に対応するために、本年度から「事業構造改革」を決断し、箇所ごとに利益を創出する「自立経営」と、グループ内の「連携強化」をめざす。これを両立するため、団体旅行と個人旅行をそれぞれの事業本部に集約する組織とした。もう一つの柱として、KNT東北、KNT中国四国、KNT商事の3社を設立した。
訪日外国人旅行者は大きな影を落としているが、中国・アジア諸国においては回復基調にあり、今年度は現地発の海外個人旅行需要の取り込みの強化と、ネットワークの充実を進め、近い将来の事業の柱へと育てていきたい。
昨年は人と人の絆の大切さが改めて認識された年であった。KNTグループはまさに世界中の人々の絆を深める事業を展開している。私たちの仕事の社会的な意義を改めて認識するとともに、それぞれの目標達成に向かう決意を新たにしていただきたい。
▽日本旅行
代表取締役社長 丸尾和明氏
「ビジネスモデルの転換を加速化・具体化」
昨年はかつて経験したことのない極めて厳しい一年となった。当社では法人営業及びインターネット販売を中核事業とすべく、ビジネスモデルの転換に向けて取り組んできた。BTM、MICEやインターネット販売などは震災後も需要が堅調であることから取り組みを強化した結果、一定の成果を得ることができた。
本年の市場環境は一定程度回復するものの、為替・株価の変動や景気下振れリスクも懸念されている。また、インターネットの進展やサプライヤーの直販化、LCCの台頭など、マーケットの構造変化が加速化している。
これに対応するため、一人ひとりが具体的な構造変化に結び付け、行動レベルで着実に進捗させていく。そのためには思い切ったパラダイムシフトが必要とも考える。ビジネスモデルの転換をより一層加速化・具体化させることでお客様からお選びいただくことを目標としていく。