若者層の需要喚起、「具体性」と「基本の見直し」の視点も-観光庁研究会

  • 2011年11月22日

 観光庁は昨年7月、産官学の関係者で構成する「若者旅行振興研究会」を発足した。2010年7月から2011年6月までの第一期若者旅行振興研究会では、旅行業界が若者に対し適切な商品提供をしていないのではないかという仮説に基づき、ボランティア・ツーリズムやキャラクター・ツーリズム、フラッシュ・マーケティングによる商品販売などが検証された。その結果、若者に訴求する商品造りには「旅の目的の明確化」が不可欠で、適切な商品提供をすることで需要につながることや、「ICT(情報通信技術)ツールの活用」で旅行自体に興味がなかった層を取り込み、旅行の誘発がねらえることが発表された。

 11月18日にスタートした第二期の「若者旅行振興研究会」では、若者のなかでも1年間で一度も旅行に行かない「ゼロ回層」など、旅行回数が少ない若者に焦点をあてた取り組みや議論を行なう。第1回の今回は幅広い観点で問題提起がされ、その内容は多くの旅行会社にとって参考になるだろう。


リピーターになりやすいサービス精神旺盛な男性
「エリートクン」はスペック重視

 今回の研究会で話題の中心となったのが「男性」だ。じゃらんリサーチセンター研究員の横山幸代氏は「男旅」として調査データを紹介した。

 2009年に20歳から24歳を対象として実施した働く若者旅行実態調査は、男性の場合は旅行経験率は恋人がいる場合で15.6%も上昇することや、働く男性の3割が家族旅行をする傾向を示している。また、2010年に20代から60代の男女に対して実施した「男性の旅行意識調査2010」では、男女の旅行感の違いが比較され、「同行する異性に喜ばれる」旅行をイメージしている男性の割合は13.4%と、女性に比べて9.9ポイントも差があり、「サービス精神にあふれている感覚が女性よりも大きい」ことが明らかとなった。

 その一方、女性の68.7%が「行ったことのないところへ行くのはワクワクする」と答えたのに対して、同様の回答をした男性の割合は51.3%と大きな差が見られる。この結果に対し、横山氏は「男性は女性と行く場合はいわゆる観光旅行に行く」という傾向があり、なるべく行ったことのあるところに行く方が自信がもてるため、「男性はリピーターになりやすい。一度つかまえるとライフタイムバリューが上げられるのでは」と見ている。

 また、これらの調査結果から横山氏は「オトコの消費仮面」として、男性を「エリートクン」「うんちくクン」「アーリーアダプター」「匠クン」「いい人クン」の5つのクラスターに分類している。20代から30代の独身男性が多く集まっているのが、「エリートクン」とする層で、色々な経験にポジティブで本格的なものに惹かれる傾向が見られるという。

 例えば、「エリートクン」は若さゆえに消費経験値を上げたいという気持ちが表われているため、高層階から見える夜景などスペックを重視するようだ。横山氏は「この気持ちに火をつければ旅行に誘引できるのでは」と、アピールするためのヒントを示唆した。