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現地レポート:チュニジア、地中海、イスラム、サハラなど多様性が魅力

  • 2011年9月16日

地中海、イスラム、サハラなど多様な魅力が展開
周遊ツアーの利点高いチュニジア/2010年秋の取材より

チュニジアで最も美しい町といわれるシディ・ブ・サイド。チュニジアンブルーの飾り窓と白い壁の街並みが印象的  日本旅行業協会(JATA)VWC2000万人推進室とチュニジア共和国大使館、カタール航空(QR)は2010年11月、共同で研修旅行を実施した。2010年春にQRが成田に就航したのを受けて、VWC2000万人推進室として以遠便の利用による商圏拡大を目的に実施したもの。しかし、当レポートの掲載直前に発生したジャスミン革命を受けて掲載を見合わせた。政変後、外務省の渡航情報の引き下げとともにツアー募集を再開する旅行会社の動きが出てきており、チュニジア寄港や地中海航路を変更していたクルーズ各社も寄港を再開している。そこで今回改めて、デスティネーションとしてのチュニジアの特徴や素材を知る参考として、同研修旅行のレポートを掲載する。今回の参加者はいずれもチュニジア旅行を販売する旅行会社の5名。全員が初めてのチュニジア訪問であった。

※2010年11月に実施した研修旅行のレポートです


エジプト、トルコ、モロッコとは違う独自の魅力に焦点

チュニスのメインストリート、ブルギバ通り  チュニジアはアフリカ大陸の最北端にあり、地中海を挟んでヨーロッパの南側に位置する。人口の90%以上がアラブ人と先住民族のベルベル人で、約98%がイスラム教徒というイスラム文化圏だ。ヨーロッパに近いこともあり、ヨーロッパからのバカンス客を受け入れてきたため、観光業が発展し、洗練された一面もある。

世界遺産のチュニスの旧市街。路地は入り組んでいるが、大きな通りはわかりやすい  日本人の旅行先としてチュニジアはまだ馴染みが薄い。研修旅行参加者によると、ツアー造成担当者自身も「エジプトのピラミッド、ギリシャのエーゲ海、トルコのカッパドキアといったビジュアル的に決め手となる観光素材を把握できていない」そうだ。チュニジアのツアー旅行に参加する日本人旅行者は、「エジプトもトルコもモロッコも行ったから、次はチュニジアという旅慣れたシニア層が多い」と参加者は話す。

 視察中に行き合った日本人旅行者も、シニア層の女性ばかりで、エジプト、トルコ、モロッコにツアーで行き、旅先でチュニジアを知ったと言う。旅行に来た理由は「日本とはまったく異なるイスラム文化が興味深い」からだが、チュニジアを選んだ理由は「まだ行ったことがない国で、安全そう」というもので、「チュニジアでこれを見たい、したい」という明確な動機付けはなかった。

 今回の研修では、参加者一同が「これぞチュニジアという、チュニジアならではの魅力を訴求できる素材を探す」ことを課題に、視察に取り組んだ。