「社会から必要とされる会社へ」日本旅行・吉田社長インタビュー

  • 2026年6月9日
-中期経営計画では2030年までを「構造変革期」と位置付けています。最も変革が必要な部分はどこでしょうか。

吉田 一つは仕事のやり方です。例えば修学旅行では、旅行会社が撤退した地域もあり、学校側が自ら手配しているケースもあります。しかし団体旅行では安全管理が非常に重要であり、旅行会社の役割は大きいです。

 そのため当社では「教育旅行サポートセンター」を設置し、リモート中心で全国の学校を支援しています。現地営業を行わず、オンラインやメールで丁寧に対応する仕組みですが、評判は良いです。現在は一般団体旅行にも対象を広げています。

 リアル店舗だけではなく、サービス提供の構造自体を変えていかなければならないと考えています。

-投資も必要になりますか。

吉田 必要になります。システム投資はもちろん、場合によってはコンテンツへの投資や施設への投資も必要です。構造変革とは、サービスの提供方法と内容をグレードアップしていくことだと考えています。

-海外市場への考え方も変わっていますか。

吉田 国内旅行だけにこだわるつもりはありません。海外でも地域との交流を作っていきたいです。

 例えばドミニカ共和国では、eスポーツを切り口とした交流の創出を検討しています。また、サウジアラビアとも観光・交流促進に向けた連携を進めています。人気観光地へ送客するだけではなく、新たな交流や需要を生み出すことが重要です。

-DXやOTAが進展する中、総合旅行会社の役割はどう変わりますか。

吉田 旅行会社はやはり「人の商売」だと思っています。人を介して地域との関係を作り、地域の発展に貢献していくことが我々の役割です。

 だからこそ、新卒採用でも「人との関係づくりが好きな人」を重視しています。旅行業はお客様から直接感謝される仕事であり、そこにやりがいを感じられる人材が必要です。

-10年後、日本旅行はどのような会社でありたいですか。

吉田 綺麗な言い方ではないかもしれませんが、「社会から必要とされる会社」でありたいです。そのためには、社会や地域が必要とするサービスを提供し続けなければなりません。

 実際、現在は各自治体と災害協定も結んでいます。災害時に被災者や支援者の宿泊・輸送・運営支援をワンストップで担う協定であり、能登半島地震での対応経験がきっかけになりました。

 すぐに利益になるものではありませんが、社会に必要とされる存在になるためには重要な取り組みだと思っています。

-ありがとうございました。