「社会から必要とされる会社へ」日本旅行・吉田社長インタビュー
吉田 AIやDXによる業務効率化は間違いなく進みます。ただし、AIにできない部分こそ、人が担う価値になります。我々はそこに力を入れていきたいと考えています。
その最たるものが地域との関係づくりです。地域と深い関係を築くのは人の役割であり、その上でAIやDXを活用したサービスを提供していきます。
吉田 変わっていくと思います。当社は各県に最低一つの拠点を持っていますが、これまでは発地型、つまり地域の顧客を旅行に送り出す役割が中心でした。今後は着地側として地域コンテンツ開発や産業誘致、人材供給など、地域拠点としての役割をより強めていきます。
一方で、店頭販売という形態自体は変化していきます。インターネット予約が一般化した中で、すべての店舗を維持するのは難しいです。必要な機能は残しますが、店舗の役割は「パッケージ旅行を売る場所」から、観光客とのタッチポイントへ変わっています。
実際、大阪の店舗では両替や荷物預かりなど、インバウンド向けサービスを提供しています。店舗もサービスの形を変えながら生まれ変わっていきます。
吉田 インバウンドによる宿泊単価上昇や猛暑などもあり、日本人が旅行しづらくなっている部分は感じています。ただ、人は何かきっかけがあれば必ず動きます。万博がまさにそれを証明しました。
その「動くきっかけ」を我々自身で作っていきたいです。アニメツーリズムや聖地巡礼のように、人が動くテーマを作ることが重要になると思っています。
吉田 そうです。宇宙事業は単に宇宙へ行くことだけではありません。ロケット発射場を起点に地域観光を開発し、宇宙教育や星空観光における人材育成も含めた総合的なビジネスとして捉えています。
北海道の大樹町では、北海道スペースポートの見学やISTの工場見学、乳牛のふん尿からバイオメタンを生成するプラントの見学などを組み合わせたコンテンツを造成しています。修学旅行などでも採用されており、宇宙をテーマにした地域活性化に取り組んでいます。
吉田 今年から先行予約券の販売を始める予定で、現時点では順調に進んでいます。宇宙旅行には、訓練や宇宙食、宇宙港の地域活性化など地上で体験できる様々なコンテンツから、実際に行くまでを含めて「有人宇宙旅行ビジネス」だと考えています。
当社は以前からJAXAと関係が深く、宇宙飛行士や関係者の輸送・宿泊なども手掛けてきました。種子島、内之浦、串本・那智勝浦、大樹町など、ロケット発射場のある地域とは非常に深い関係を持っています。
