HIS、「帰らない日は家賃がかからない」Unitoに出資 法人向け提案と海外展開で連携

HISは、「帰らない日は家賃がかからない」リレントモデルを展開するUnitoへの出資を決定した。シリーズDラウンドのセカンドクローズにおける資金調達の一環で、今後の多拠点滞在需要や海外展開を見据えた戦略的な連携を図る。
今回の出資は、同年4月に行われたファーストクローズと合わせ、シリーズDラウンド全体で約10億円に達する調達の一部で、Unitoの累計資金調達額は約20億円となった。HISに加え、大東建託もセカンドクローズに参画した。
Unitoは、居住者が不在日を申請することで家賃が減額される独自の仕組みを中核とし、リレントされた部屋はホテルや民泊としての運用を並行する事業モデルを展開している。特許を取得したこのシステムは、住まいと宿泊の機能を融合させ、従来の賃貸や宿泊にとどまらない新たな暮らし方を実現している。
調達資金は、全国主要都市での運営物件数拡大、M&Aによる事業成長、システム開発、採用強化などに充てられ、3年以内に500棟の運営体制の構築を目指す。また、賃貸・宿泊・顧客情報の一元管理を可能にする新たなPMSの開発も進めており、民泊市場での競争力強化を図る。
HISは、リレントモデルが持つ柔軟な居住スタイルに着目し、法人向けの海外出張や多拠点滞在ニーズに対する新たな提案としてUnitoとの連携を進める。今後の海外展開についても、同社のグローバルネットワークを活かしながら支援を強化していく。
一方で、大東建託とは、同社が進める遊休地活用事業との連携を通じて、不動産オーナー向けにホテルを組み込んだ新たな商品設計の提案を模索する。これらの出資企業との事業共創を通じて、Unitoは「住む」と「泊まる」を自在に行き来するライフスタイルの普及と、不動産価値の最大化を目指していくとしている。