客室清掃請け負い、多様な国のスタッフまとめるグローバルゲイツ オドノさんに聞く 仕事での心構え
多数のホテルの客室清掃を請け負う株式会社グローバルゲイツ。そのグローバルゲイツさんに所属し、都内のホテルで客室清掃を担当しているモンゴル出身のガンバータルオドンチメグさん。オドノさんは、多様な国のスタッフが働く現場をとりまとめるリーダーでもある。オドノさんは客室清掃に大切なのは、「心を込めた清掃」という。
オドノさん(以下敬称略) 今、このホテルで働く客室清掃のスタッフは非常にグローバルです。コミュニケーションに関しては一応日本語で行っています。中国、ネパール、ベトナム、モンゴルと様々な国の人が働いていますが、みんな、仕事も一生懸命で早いですし非常に助かっています。
毎日、朝礼がありますが、私も日本語はまだ完璧ではないですが、自分なりに分かりやすく、日本語をかみ砕いて話すようにしています。客室清掃の説明も言葉で話すというよりは、写真で見せて、「こういう風にやってください」って教えるようにしています。私は、外国のスタッフが日本語が拙いのはしょうがないと思っています。その代わり、挨拶は大事にしてもらっています。日本って挨拶の国だと思うんですよ。とにかく笑顔で「こんにちは」ってお客様に挨拶するだけでいいよって伝えています。その結果、挨拶に関してお客様からお褒めの言葉を頂くこともあって、すごく嬉しいです。
オドノ 募集しても全く応募がありません。でも日本に来ている外国人は私が日本に来た10年前よりは増えているんです。最近の傾向としては、外国人も楽な仕事に就きたがるんです。選び過ぎているといいますか。うちに来た外国人スタッフも二日間で辞めて、コンビニのレジのアルバイトに移動した人もいました。もちろん日本語の勉強として、日本語をしゃべりたいという人は、客室清掃よりはコンビニの方がいいかもしれないですが。
オドノ 最初は単純に、どこの国とか決めずに海外に行ってみたいと思っていたんです。たまたまその時期に相撲の朝青龍が活躍していた時で、みんなでテレビをよく見ていたんです。その時に相撲解説者が話す日本語を聞いた時に、発音の響きが耳心地がよかったです。それで日本語を勉強したいなと思い、日本に行くことにしました。
オドノ 留学生として日本に来て、10年になるのですが、その時にモンゴルの先輩達が新宿のホテルで働いていて、その先輩の紹介で客室清掃を始めることになりました。先輩達がいるから日本語が分からなくても通訳してくれますし、仕事中は特に日本語を話すこともなかったので、なんとか仕事はできました。先輩達が真面目に働いてくれていたおかげで、ホテルでのモンゴル人の評価が高く、それはすごく嬉しかったです。
ウチのお母さんは綺麗好きで、モンゴルにいる時から、部屋は綺麗にしなさいと教わってきたので、客室清掃の仕事はすごく自分に合っていました。
オドノ ベッドメイクが一番得意ですかね。ベッドメイクってすごく大切で、ベッドメイクが雑だと、部屋全体が雑な印象になってしまうので。ただ、ベッドメイクは慣れるまで、疲れてしまう人がすごく多いです。シーツを引っ張る時に力で引っ張る人がいますが、それでは疲れてしまう。無駄な力を入れずに引っ張る方法もあります。ベッドを押す時も中腰のまま押すと腰を痛めてしまいます。なのでしっかりしゃがんでベッドを押すと、足と手にしっかり力が入り、腰を痛めません。身体のどの部分を使うかが重要です。この仕事は本当に腰や膝を痛める人が多いので、注意して働いてもらうようにしています。