客室清掃請け負い、多様な国のスタッフまとめるグローバルゲイツ オドノさんに聞く 仕事での心構え

  • 2023年8月21日

 多数のホテルの客室清掃を請け負う株式会社グローバルゲイツ。そのグローバルゲイツさんに所属し、都内のホテルで客室清掃を担当しているモンゴル出身のガンバータルオドンチメグさん。オドノさんは、多様な国のスタッフが働く現場をとりまとめるリーダーでもある。オドノさんは客室清掃に大切なのは、「心を込めた清掃」という。

-オドノさんの現場は非常にグローバルな現場のようですね。

オドノさん(以下敬称略) 今、このホテルで働く客室清掃のスタッフは非常にグローバルです。コミュニケーションに関しては一応日本語で行っています。中国、ネパール、ベトナム、モンゴルと様々な国の人が働いていますが、みんな、仕事も一生懸命で早いですし非常に助かっています。

 毎日、朝礼がありますが、私も日本語はまだ完璧ではないですが、自分なりに分かりやすく、日本語をかみ砕いて話すようにしています。客室清掃の説明も言葉で話すというよりは、写真で見せて、「こういう風にやってください」って教えるようにしています。私は、外国のスタッフが日本語が拙いのはしょうがないと思っています。その代わり、挨拶は大事にしてもらっています。日本って挨拶の国だと思うんですよ。とにかく笑顔で「こんにちは」ってお客様に挨拶するだけでいいよって伝えています。その結果、挨拶に関してお客様からお褒めの言葉を頂くこともあって、すごく嬉しいです。

-客室清掃で働きたいという外国人のスタッフの応募は増えていますか?

オドノ 募集しても全く応募がありません。でも日本に来ている外国人は私が日本に来た10年前よりは増えているんです。最近の傾向としては、外国人も楽な仕事に就きたがるんです。選び過ぎているといいますか。うちに来た外国人スタッフも二日間で辞めて、コンビニのレジのアルバイトに移動した人もいました。もちろん日本語の勉強として、日本語をしゃべりたいという人は、客室清掃よりはコンビニの方がいいかもしれないですが。

-なるほど。オドノさんはなぜ日本に来ようとおもったのですか?

オドノ 最初は単純に、どこの国とか決めずに海外に行ってみたいと思っていたんです。たまたまその時期に相撲の朝青龍が活躍していた時で、みんなでテレビをよく見ていたんです。その時に相撲解説者が話す日本語を聞いた時に、発音の響きが耳心地がよかったです。それで日本語を勉強したいなと思い、日本に行くことにしました。

-客室清掃のお仕事はいつから始めたのですか?

オドノ 留学生として日本に来て、10年になるのですが、その時にモンゴルの先輩達が新宿のホテルで働いていて、その先輩の紹介で客室清掃を始めることになりました。先輩達がいるから日本語が分からなくても通訳してくれますし、仕事中は特に日本語を話すこともなかったので、なんとか仕事はできました。先輩達が真面目に働いてくれていたおかげで、ホテルでのモンゴル人の評価が高く、それはすごく嬉しかったです。

 ウチのお母さんは綺麗好きで、モンゴルにいる時から、部屋は綺麗にしなさいと教わってきたので、客室清掃の仕事はすごく自分に合っていました。

-客室清掃で好きなパートはありますか?

オドノ ベッドメイクが一番得意ですかね。ベッドメイクってすごく大切で、ベッドメイクが雑だと、部屋全体が雑な印象になってしまうので。ただ、ベッドメイクは慣れるまで、疲れてしまう人がすごく多いです。シーツを引っ張る時に力で引っ張る人がいますが、それでは疲れてしまう。無駄な力を入れずに引っ張る方法もあります。ベッドを押す時も中腰のまま押すと腰を痛めてしまいます。なのでしっかりしゃがんでベッドを押すと、足と手にしっかり力が入り、腰を痛めません。身体のどの部分を使うかが重要です。この仕事は本当に腰や膝を痛める人が多いので、注意して働いてもらうようにしています。