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回復遅れるアウトバウンド 本格的な回復に向けた政策パッケージを策定、和田長官会見

  • 2023年3月16日

 観光庁の和田浩一長官は3月15日に会見を開き、堅調な回復を見せるインバウンドと比較して、回復が遅れているアウトバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージの策定を発表した。アウトバウンドの促進で国際相互理解の増進や航空ネットワークの拡大を図り、インバウンド含め双方向での取組を強化したい考えだ。


 足元では、訪日外国人旅行者数は2019年と比べた場合の回復率は昨年10月以降毎月増加しており、2月にはコロナ前の2019年同月比で57%にあたる147万5300人を記録し、仮に中国を除いて比較した場合は77%まで回復している。訪日外国人旅行者数の今後の見通しについて和田氏は「中国からの入国者に対する水際措置の変更及び、国際クルーズの再開に伴い更なる回復が見込まれる」と述べた。

 対して、2月の出国日本人数は53万7700人で2019年同月比3割強に留まっている。苦戦しているアウトバウンドについて和田氏は「円安や燃料費の高騰、感染への不安などから海外旅行への機運が醸成できていないのではないか」と見解を述べた。

 発表されたアウトバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージについては、「諸外国との連携体制の強化」「戦略的かつ効果的な取組の推進」「安全・安心な旅行環境の整備・青少年交流の促進」の3つの観点から様々な取組を実施するとしており、具体策については今後JATAなど業界団体と協議の上決定する見込み。



観光再始動事業の応募は約1000件

 インバウンドの本格的な回復を図るため1月31日から2月27日までの公募受け付けを行っていた「観光再始動事業」については約1000件の申請があり、文化や自然、食、スポーツ等多岐に亘る分野の申請があったと述べ、現在行われている有識者等による審査を経て3月中には採択を決定する見込みで、今後二次募集も行う考えだ。

 続いて延長の報道がされた全国旅行支援について和田氏は、多くの都道府県で6月末ごろまでの実施が可能であるという見通しを示し、また、別で予算枠が設けられている団体旅行への支援は7月以降も実施可能である見込みとコメントした。