22年の旅行業の倒産は18件で3年ぶりに減少、12月単月は0件-TSR調査
東京商工リサーチ(TSR)によると2022年12月の旅行業の倒産は2ヵ月ぶりに発生がなかった。これにより2022年1月~12月の負債額1000万円以上の旅行業の倒産は18件で、3年ぶりに前年を下回った。
負債総額は前年比57.6%減の18億3200万円で、過去20年で2019年の14億2100万円に次ぐ低水準だった。倒産件数の減少に加え、5億円以上の倒産が1件だったためとしている。
2022年は無利子・無担保のゼロ・ゼロ融資や雇用調整助成金などの支援のほか、3月下旬にまん延防止等重点措置が解除され国内旅行の需要回復が後押しした。一方、新型コロナウイルス関連倒産は17件で倒産の9割を占める。海外旅行をメインにしている事業者を中心に、長期化するコロナ禍が経営に影響し倒産したとしている。
TSRは今後の見通しについて、インバウンド、国内旅行の需要が急伸する一方で、円安により、海外旅行需要は精彩を欠く状況が続いており回復に時間を要しているとしている。また、2023年はゼロ・ゼロ融資の返済開始も本格化し、海外旅行を主力としている事業者や資金余力に欠く小・零細事業者は、先行きの不透明感によるあきらめ型を中心に、倒産が増える懸念もあるとしている。
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