アメリカの「今」を駐在員の視点からー国内旅行が盛況、サプライヤーの状況は
レストランの現状
以前は、レストラン入店時にはマスク着用とワクチン接種証明書の提示が必要で、常備されている消毒薬で手指を消毒し、最大収容定員が25%までの店内でメニューを自身のスマホでスキャンして見るという形式でしたが、現在はマスク着用義務もワクチン接種証明書の提示もなく、消毒液の常備は半分くらいの店舗に減り、人数の制限もなく、通常のメニューを見て選ぶようになりました。レストランのスタッフでもマスク着用の義務はなく、店によりばらつきがありますが着用率は50%前後。ほぼコロナ禍以前の接客対応です。ただ、価格は大幅に上がっており、ラーメン1杯が15ドル+TAX+TIPS。以前と比較すると20%から40%の値上げです。レストランは人手不足を補うため、労働賃金は20%ほど上がっています。
観光関連サプライヤーの今
最後に、我々オペレーターを取り巻く現地のサプライヤーの状況をお伝えします。
バス及び車両会社
ドライバーガイドの転職と退職(高齢化も影響)が進んでいます。保険料金の値上げを理由に廃業した日系車両会社や、車両保険の高騰により以前の50%の車両で運行し、ドライバーの多くがトラックドライバーに転職して、ソフトとハードの両面で供給不足に陥っているバス会社もあります。以前ではあり得ませんでしたが、時期とタイミングより、完全なソールドアウトや予約即デポジットという対応が発生する可能性があります。
ホテル
国内マーケットはレジャー、ビジネスともに復調傾向です。あるホテルでは、国内マーケットはコロナ禍以前に比べて70%以上回復したとのこと。ただし、バンケットを使用するような企業パーティや結婚式はまだまだのようです。
レストラン
政府からの豊富な補助金で生き残ったレストランが今はローカル客で賑わうという、羨ましいレストラン業界ですが、団体を扱うグループセールス課を廃止し、団体に距離を置くレストランが増えました。これはホテルのバンケットと似た状況と言えます。
航空会社
各社がほぼ1時間に1本のペースで運航していたロサンゼルス/サンフランシスコのドル箱路線も、現在は2時間に1本のペースで、小型機材での運航に変わっています。価格は燃油の高騰もあり50%ほど上昇。国内のビジネスとレジャーマーケットの復調により、座席の確保が困難になりつつあります。
以前、現地のホテルやバス会社から、「ヨーロッパ系のオペレーターは1年前から予約とデポを処理し、団体旅行でもキャンセルがほとんどない。日系の旅行会社はなぜそうしない。違いはなんだ?」と言われ、違いの多さにコメント出来なかったことを思い出します。これまでにも、日本と米国との間で生じるサービスの質や、予約とキャンセル、料金と支払いの考えにはギャップがありましたが、マスク着用の考え方や物価の上昇など、今後はもっと厳しい状況になってくるのではないでしょうか。
※2022年7月13日(現地時間)現在の情報です。
株式会社トランスオービット
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