アメリカの「今」を駐在員の視点からー国内旅行が盛況、サプライヤーの状況は
2022年も気が付けば、1年の折り返しを過ぎた7月となり、アメリカも夏の行楽シーズン真っ只中の時期です。今回はアメリカ西海岸の玄関口の1つであるロサンゼルスから現在の様子をレポートさせて頂きます。
ロサンゼルス国際空港
コロナ禍前は年間旅客数が世界3位だったロサンゼルス国際空港(LAX)は、2028年開催の夏季ロサンゼルス・オリンピックへ向け大規模な工事中です。工事は2023年の完成予定で、140億ドルという巨額の予算がかけられています。年がら年中どこかで必ず工事中という、公共工事の典型であった今までの小規模工事とは大きく違う様子です。
日本からのお客様で関係するのが、国際線ターミナル、トムブラッドリーの新たなコンコースの設置工事です。同ターミナルには、現在日本からは日本航空(JL)、ジップエア(ZG)、全日空(NH)が、またその他アジア系、ヨーロッパ系、中南米系の航空会社も国際線として離発着しています。工事の影響で空港内道路の車線が減っているために渋滞が起き、ピーク時には空港に入る前の道から渋滞するようになりました。また空港ターミナルに隣接する公営駐車場が何か所か閉鎖されているため、パーキング代が高騰しています。例えば、コロナ禍以前は24時間で15ドル前後だった空港周辺の私営パーキングは、今では30ドル前後。しかも混み合うために予約なしでは利用が難しい状況です。
我々ランドオペレーターも影響を受けています。お客様を到着ロビーへお迎えに上がるためにターミナルビルの公営駐車場を利用する場合、コロナ禍以前は30分から2時間で8ドルから15ドル前後だったものが、今は30ドルから50ドルします。駐車スペースの確保にはオンラインでの事前予約も必要です。
また、チャーターバスを仕立てる場合、ターミナル前でローディングが出来なくなりました。到着ターミナルから離れた場所でローディングし、お客様はターミナルからスーツケースを転がしながら約350メートルを徒歩で移動することになります。
実際に6月30日にJL16便の出迎えがあり、トムブラッドリーターミナルへ行きました。コロナ禍以前は、フライト到着後、ウエルカムな雰囲気ゼロの入国審査と税関を終えて到着ロビーまで出てくるまでの所要時間は2時間強、ときには3時間と、約10時間半のフライトの後、地獄のような入国と税関でしたが、今回お客様は到着から1時間半ほどでロビーに出てこられました。コロナ禍以前は中国各都市やアジア各国、中南米からのフライトが多かったのですが、大幅な減便で入国時間が短くなっている印象です。
到着ロビーでマスクの着用率を見ると、アジア系の人種は9割以上が着用しており、それ以外の方は6割から7割前後の着用率でした。
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