JTBの「無人店舗」とは?-テレビ電話でリモート接客、地方展開も

「ウェブ」と「リアル」の中間ねらう
リモート接客で募集型企画旅行を提供

▽「自宅のリビング」イメージ、気軽に旅行相談を

自由に利用できるオープンスペース ラウンジには自宅のリビングをイメージしたリモート接客用のスペース2ヶ所と、自宅前にある芝生のある庭をイメージしたオープンスペースを用意。矢澤氏によると、「日本ではテレビ電話を使って予約するという商習慣への馴染みがまだ薄い」ため、相談しやすい環境にするため家をイメージしたデザインにしたという。

 リモート接客用のスペースにはモニターを2種類用意し、テレビ電話でオペレーターと無料で旅行の相談ができるようにした。相談サービスの提供時間は11時から16時まで。

 オープンスペースには旅行パンフレットや旅行関連書籍を用意。矢澤氏は「旅行を相談する際は、みんなで会って相談することが多い。ラウンジで待ち合わせて気軽に旅行の計画を立ててもらいたい」と語り、イオンモールいわき小名浜の開業中は誰でも自由にスペースを利用し、書籍を閲覧できるようにしたことを説明した。

 開業から約2ヶ月間でラウンジを訪れた人は1100組程度。リモート接客サービスの提供時間外でも、旅行の計画をするために家族や女性グループが集まる姿が見られるという。矢澤氏によれば、当初はショッピングモール内に開業したことから、買い物のついでに立ち寄る家族の利用が多くなる見通しだったが、実際は家族に加えて50代の女性グループなど女性の利用が多く、全体の7割が女性。すでにリピーターも出てきているといい、「認知が更に高まれば、より利用者が増えるのでは」と期待を示した。

 ラウンジで予約を受け付けるのは海外・国内の募集型企画旅行で、たとえばハネムーナーの海外クルーズ、3世代で行くグアム旅行、東京ディズニーリゾートへの旅行など、予約する旅行商品も多種多様。実際の相談件数などは非公開だが、矢澤氏は「単価が大きいハネムーンツアーなどの高額商品も予約されており、嬉しい誤算。当初の計画値を上回っている」との喜びを示した。

次ページ>>>リモート接客に細かな工夫、他業種とのコラボ検討