台湾、光の祭典「ランタンフェスティバル」開催、今年は嘉義で
過去最大の延べ1000万人超が参加
足を伸ばして台南観光も
ノスタルジックな神農街や林百貨店
古都・台南で新旧の台湾を満喫
嘉義から台湾新幹線で1駅南下したところに南部の古都、台南がある。近年、美食の街としても人気を呼んでいるが、日本の「京都」にもたとえられるこの街のいちばんの魅力は、歴史ある街並みが醸し出す独特の風情だ。
そんな台南で人気スポットの1つとなっているのが林百貨店。日本人実業家の林方一が1932年に創設したデパートで、古い建物の風格を残しながら2014年にリニューアルオープンした。1階はリビング、2階はデザイン、3階はファッション、4階はカルチャーとフロアごとにテーマが設けられ、台湾の新しい文化の発信地としての機能を担う。コンセプトを、台南を中心とする台湾に絞っていることも、観光客の人気を呼ぶ要因の1つだろう。
最近、若者たちを中心に人気を呼んでいるのが「神農街」と呼ばれる通り。かつて河川貿易が盛んだったこのエリアには、1階を商店、2階を倉庫などに使っていた築100年を超える建物が残り、これらを利用した雑貨屋やカフェ、バーなどが軒を連ねる。夕刻、赤や橙色の提灯がほのかに通りを照らすと、ノスタルジックな雰囲気満点だ。
台南発祥の地「安平」をそぞろ歩き
涼を求めて緑のトンネルをクルーズ
台南の中心街から車で20分程の場所には、台南発祥の地とされるエリア「安平」がある。オランダ統治時代の軍事要塞「安平古堡」や、航海の守り神の媽祖を祀った「安平開台天后宮」といった歴史的スポットを訪れた後は、土産屋や屋台が並ぶ「延平老街」へ。台南の味を楽しむのに格好の通りだ。沖縄のシーサー同様、剣を咥えた獅子を家の壁や門の上に飾る習慣のあるこの街は、古い民家を見て歩くだけでも楽しい。
マングローブが茂る湿地「四草生態文化園区」もぜひ訪れたい。かつての内海だった場所が、河川の流れの変化で潟湖となったことで独特の生態が残されている。運河に張り出すように茂るマングローブのトンネルを静かに進む30分のクルーズでは、サギやシオマネキなどの生物も観察でき、川面の涼しい風を感じながらしばしゆったりとした時間を楽しめる。
来年に30回の節目を迎える「台湾ランタンフェスティバル」は、台湾南部の屏東県東港の大鵬湾に場所を移し、2月19日から3月3日まで開催される予定だ。台南をはじめとする南部の魅力と合わせて、台湾への送客の理由付けとしたい。
取材:佐藤淳子